飛行機の乗り方[国内線] 航空券~荷物預け入れ 編

空港

たまには飛行機に乗って、遠くて中々行けないような場所まで旅をしてみたい。
でも、飛行機って乗ったことがないから色々不安。
持ち物が制限されたり、空港には早めに到着していなくちゃならなかったり、なんだか色々難しいイメージはあるから利用するのをつい躊躇してしまう。
誰かと一緒の旅だったりした場合には尚のこと、「飛行機って乗ったことないから、乗り方とか空港のことが全く分からない。」なんて言うのはなんとなく恥ずかしい
注※実際のところ、全く恥ずかしいことではありません!
だったら、多少時間がかかってでも慣れた新幹線や車などの陸路を選ぼうかな。。

と、こんな思いをお持ちの方、いらっしゃるのではないでしょうか。
私もそんな気持ちを持ってしまうことが多々ありました。

ところが、実は飛行機の乗り方は必要なポイントだけを抑えれば非常にシンプルで何も難しいところはありません。
多くの人にとって頻繁に利用する交通機関ではないことから、なんとなく「難しい」というイメージが付きやすいですが、実際は他の交通手段と比較しても難しいところはなく、むしろ非常に明瞭でかえって分かりやすいくらいです。

・「搭乗から到着までの基本的な流れ」をなんとなく理解しておく。(完璧でなくてOK)
・自分自身が使用するサービスだけ理解しておく。

どちらも当たり前のことながら、この2点だけ抑えておけば飛行機に乗るのに戸惑うということほぼないです。
飛行機や空港はとかく沢山の施設やサービスが存在することから、一見して難しいという印象を持ちやすいのですが、基本的な利用方法としての「飛行機に乗って目的地にたどり着く」という利用に限っては極めてシンプルです。
自分自身が選択したサービス(施設)だけをめがけていれば、周りに何があろうと関係のない話ですから。

これは、スター〇ックスをイメージすると少し分かりやすいかもしれません。
シンプルなコーヒーを頼みたいのなら、必ずしも「トールバニラソイアドショットチョコレートソースノンホイップダークモカチップクリームフラペチーノ」などとドラクエの呪文のような商品名を覚える必要はありません。
ただ一言「本日のコーヒー。普通のサイズで!!」で足ります。
難しいのは基本を覚えてからでも全く遅くありません。飛行機の乗り方も同じです。

この記事では、「難しい」という先入観を取り除き、搭乗までの全体の流れを簡潔に解説し、更に理解を深める為のポイントも併せて説明いたします。
飛行機の乗り方をちゃっちゃと攻略し、まだ見たこともないような素敵な景色や世界を見るためのチケットさくっと入手しちゃいましょう!

飛行機への搭乗から目的地到着までの基本的な流れ

それでは早速「飛行機への搭乗」から「目的地への到着」までの工程の基本的な流れの説明を開始していきます。
各工程ごとに細かな違いやポイントなど多々ありますが、今はそれらは置いておくとし、何はなくともまずはここで「基本の流れ」さえ理解しておけば、飛行機への搭乗で恐れることなどほとんどありません。

注意

本記事で説明している流れはあくまでも基本的(一般的)なものであり、厳密には国内線や国際線、利用する航空会社さんや航空券の種類などによって多少の違いがあります。

1.航空券の購入(予約)

購入(予約)方法
※航空券のイメージ  ~JALHPより~

飛行機に乗るのであれば、なにはなくとも航空券を購入(予約)することが必要です。
航空券は「日にち」と「座席の種類」、「利用する区間」と「利用する飛行機」を選択して購入します。



〇航空券の購入で必要な項目
  【搭乗する日】〇月□日 
  【飛行機の座席の種類】普通席 
  【利用する区間】神戸-羽田(東京)
  【利用する飛行機】654便(9:00発-10:45到着)

購入(予約)はインターネット上の各航空会社HPを利用するのが一般的かつ便利ですが、空港など現地での購入(予約)も勿論可能で、他にも旅行代理店のツアーやパックとして購入(予約)することも出来ます。
航空会社のHPを見れば必ず航空券の購入(予約)ページがありますので、利用したい航空会社が決まったらインターネットでその会社のHPを検索してみてください。

ちなみに、航空券の購入(予約)は電話でも可能です。
・・可能ではあるのですが、WEB上での予約が非常に簡単かつ便利なので絶対的におススメです。

ところで、航空業界では一般的に、航空券を購入することを「予約」と表します。
もちろん「購入」でも意味として間違ってはいないのですが、購入するだけでは手続きが完了しておらず、飛行機に乗る前に「チェックイン」という、言ってみれば「購入したチケットを実際に使用して飛行機に乗ります!」という手続きがまだ必要であるというたりがその理由なのかなと思っています。
チェックインについてはこの後説明します。

航空券の購入(予約)方法
  • インターネット(Web)で航空会社HPなどから購入出来る。
  • 購入時は、「日付」「座席」「利用区間」「利用便(時間)」を選択する。
  • 航空券の「購入」は厳密な意味合いとしては「予約」である。
航空券の種類

航空券の種類は非常に多岐にわたります。
たとえ同じ飛行機の同じ座席であっても、購入する時期や方法によって値段も大きく変わりますし、乗る飛行機を変更出来る券と変更出来ない券もあります。
また、飛行機の客席内の座席のグレードや周囲の設備の違いによる違いも勿論存在します。

この記事は飛行機の乗り方基礎知識を説明するというコンセプトなので、ここでは「座席のグレード=座席クラスの違い」についてのみ簡単に紹介させていただきます。
座席のグレードの違いは、端的にいえば、普通の座席かそれより広くて大きくて優雅な気持ちに浸れる席かの違いです。
機内で提供される飲食物も普通席とは差別化されていたり、搭乗前の空港では特別ラウンジが利用出来たりと、座席周りのちょっとした設備の充実さ以外にもお値段に見合った「お得」がたくさん備わっています。
座席のグレード(航空券)は各航空会社によって呼び方が少し異なりますが、構造はここで説明した内容からどこも変わりません。
「普通の席」と「上級(プレミアムサービス付)の席」という区別です。
一例ですが、JALの場合だとこんな感じです。

JAL :普通席

 JAL:クラスJ

 ー ファーストクラス


こうして並べてみると、社会の縮図を見せられているようでなんとも複雑な気持ちになります。
航空券の種類は座席の違いだけではなく、細かく見ていくともっと沢山の種類があるので、それはまた別記事で説明します。

航空券の購入(予約)が済んだら、あとは旅の当日まで楽しみに待ちましょう。

航空券の種類
  • 航空券の種類は大別すれば「座席のクラス」のみ。
    航空券ごとの細かな違いはまた別の記事で!
  • 「座席のクラス」は航空会社ごとに呼び名が違うが、座席や周辺設備のグレード(質)が【普通クラス】であるか【プレミアム(上質・高級)クラス】であるかの違い、とだけ理解しておけば十分です。

2.チェックイン

いよいよ旅当日!空港にはどれくらい早く着いておくべきか

航空券の購入(予約)も無事完了し、いよいよ旅当日を迎えました。
飛行機に乗る為に空港に向かいます。

空港の基本的な構造として覚えておきたいのは、「出発ロビー」と「到着ロビー」の2つの空間が存在するということです。
その名の通り、これから飛行機に乗る人は「出発ロビー」をめがけて進みます。
「到着ロビー」は飛行機でその空港に来た人を迎える場合に目指すべき場所ですね。
難しいのは、羽田などの規模の大きな空港になってくると、出発ロビーの中でも航空会社ごとに更にロビーが分かれることもあるというところです。

ポイントは、「出発ロビー」と「自分の利用する航空会社」を探すこと。
とはいえ大抵の場合空港はとにかく広いので、迷ったら案内版を見るか空港職員に素直に聞くのが一番でしょう。自分の勘でさ迷い歩くと、正しい場所まで戻るのにとんでもなく時間を要してしまう可能性もあります。

ここで注意点を一つ。
飛行機は電車のように出発時刻ぎりぎりに駆け込みで乗る、というアクロバティックなことは出来ません。(※電車への駆け込み乗車は危険です。)
国内線と国際線、空港の規模や時期(GW,年末年始,お盆などの繁忙期など)で多少変わってはきますが、概ねこれくらいを目安にするのが一般的には推奨されています。

通常 : 搭乗する飛行機の出発時刻の概ね1時間前

繁忙期: 搭乗する飛行機の出発時刻の概ね2時間前

これはあくまでも目安です。
初めて行く空港であったり、羽田や成田などの大きな空港であれば、もう少し余裕を持って到着する方がよいでしょう。
早く着いておくべき理由は、「目的の施設までたどり着くのに時間がかかる」ことと、「チェックインや保安検査場が混雑する」ことです。
後述しますが、飛行機に乗るまでに行わなければならない手続き(通過しなくてはならない場所)はそれぞれ「飛行機の出発時刻の何分前までに行う(通過する)」というルールがあります。
参考として、JALの国内線の場合は次のように定められています。

~JAL HP『ご搭乗のお客さまへのお願い(国内線)』より~

チェックイン ~自動チェックイン機とチェックインカウンター~


さて、空港に着いたら、購入(予約)してある航空券を、搭乗予定の飛行機の航空会社で「チェックイン」する必要があります。
これは何かというと、飛行機に乗る当日に「私は購入(予約)した航空券を使ってその飛行機に乗ります!」と航空会社に対して申請を行うものと理解してください。
ホテルなどの宿泊施設へ宿泊する時の流れが近いです。
宿泊施設の場合も事前に予約サイトなどで予約を行い、その後、宿泊当日も現地のホテルフロントで必ずチェックインを行いますよね。これと同じです。

「チェックイン」は空港の中にある利用予定の航空会社毎のチェックインカウンターや、自動チェックイン機を使用することで行うことが出来ます。
航空会社のチェックインカウンターはその航空会社職員が直接対応してくれるので安心ですが、ここで注意すべき点が一つだけ。
それは、必ず自分が搭乗する飛行機の航空会社のチェックインカウンターに行くこと です。

空港には航空会社ごとに専用のカウンターがありますが、JALの飛行機に乗る為のチェックインは、JALのカウンターでしか受け付けていません。
例えばJALの飛行機に乗る人が間違ってANAのカウンターに行ってしまうようなことがないよう注意してください。

ちなみに、昨今は何もかもが自動(機械)化されてきており、チェックインも御多分に漏れずです。
今はほとんどどこの空港も自動チェックイン機が主流となっており、有人カウンターの数は縮小されている印象があります。
そして、これにより何が起きるかというと、機械(自動チェックイン機)の操作にどうしてもなじめない方々が有人の対応が可能な場所を探し求めて集まり、結果、数少ない有人のチェックインカウンターは混雑します。(注:私の勝手な印象です。)
混雑度合いにもよりますが、ひどい場合は飛行機の出発時刻に余裕がなくなってしまう可能性もあるので、チェックインは何がなんでも空港会社の職員(人)に対応してもらわないと許せないという方は、余裕をもって空港に到着することをお勧めします。

有人のチェックインカウンター
昨今流行りの「自動チェックイン機」


チェックインについて注意すべきことは、航空券を購入(予約)していたとしても、当日空港でチェックインを確実に行っていなければ飛行機に乗れないということと、最悪の場合「予約の当日キャンセル」と見なされ、その席は空席として別のお客さんに販売されてしまう恐れがある、という点です。

自動チェックイン機とチェックインカウンター
  • チェックインは、当日空港で「購入(予約)した航空券で飛行機に乗る」という最終の手続きのようなもの。
  • 自分が搭乗する飛行機の航空会社のカウンターで手続きを行うこと。
  • チェックインをしないと、当日キャンセルとして扱われてしまい、最悪の場合席が別の人に販売されてしまう場合もある。
  • チェックインは有人カウンター以外に、自動チェックイン機という機械でも出来る。
チェックインの手続きを省略出来る便利なサービス

ここまで説明してきたように、チェックインは飛行機に乗る為の大切な工程の一つですが、実はこのチェックインという手続きそのものを省略出来るサービスが現在は主流となっています。
航空会社ごとに名称や手続きの方法が若干異なるので、いずれ別の記事で細かく説明させていただく予定です。
ここでは、その中でも代表的な例として、ANAとJALのサービスが説明されているWebページを紹介します。
画像をクリックすると各企業のサービス説明ページに飛びます。
ここまで説明してきた「飛行機に乗る為の基本知識」を前提として理解していれば、こういったサービスの便利さもなおのこと伝わりやすいと思います。

■【ANA】 スキップサービス 
 注意:2023年3月31日でサービス終了となります。
    詳しくは、ANAのHP2023年4月からの国内線ご搭乗手続き方法についてをご確認ください。

画像引用元:ANA HP「SKIPサービスについて」

2023年4月1日からは従来のSkipサービスの代替としては、「オンラインチェックイン」サービスを使用していくこととなります。
オンラインチェックインサービス自体は今までもありましたが、今後は更に便利なサービスとなるようにサービスの改正を実施していくようです。
Skipサービスを利用する場合は、ANAマイレージクラブ系カードを所持しているか、搭乗までにQRコードを印刷するかスマートフォンなどの画面に表示させる必要がありました。
スキップサービスとオンラインチェックイン方式とが併存していたこともあり、サービスの差などについての差別化が難しく、利用する我々旅客側にとっての混乱を招いたり、ANAさんとしてもシステム維持管理に必要なコストなど様々な理由がありそうです。
マイレージクラブカードさえ持っていれば、搭乗当日も特に用意する必要があるものなどなく、個人的には非常に重宝していたので、本音を言うと少し残念です。
ただ、ANAはこのオンラインチェックインサービスを今後更に便利なサービスにしていくようですし、ANAの1ファンとして楽しみにさせていただきたいと思います。

このオンラインチェックインサービスも含めた搭乗までのサービス全体を「ANA Smart Travel」と称し、今後もますます便利で快適なサービスとしていくということのようです。

■【JAL】 タッチ&ゴーサービス

このサービス、一言で言うとものすごーく便利です。
なんとなく敷居の高さを感じて身構えがちな飛行機に対する印象が変わる、と言っても過言ではないかなと個人的には感じます。
それに、飛行機の出発時刻までの時間的な余裕が生まれますので、空港に着いてからじっくりお土産を選んだりトイレに寄ったり色々行動する余裕もできて本当におススメです。

チェックインの手続きを省略出来る便利なサービス
  • チェックインを省略出来るサービスが主流となっている。
  • 物凄く便利なのでおススメ。(※詳しくは別記事で解説予定)

3.荷物の扱い

チェックインは無事終了しました。
次は、旅といえば切ってもきれない「荷物」について説明していきましょう。
ある意味、これこそ、飛行機に乗るまでの過程の中で一番複雑といえるかもしれません。
このあたりが複雑かつ難しいが為に飛行機に乗ることをなるべく避ける人もいるんではないかと思ってしまうくらいに。
ただし、細部まで把握しようとすると確かに複雑ですが、もっとシンプルに自身の旅において必要な要素だけを把握するのであればそれほど難しいことではありません。

飛行機に乗る場合、選べる荷物の扱いは次の2パターンだけです。

①預け入れ。(飛行機の貨物室に乗せてもらう)
②機内持ち込み。(自分の座席まで持って行く)

たったこれだけです。
こう書くと非常にシンプルですよね。

選択肢としてはシンプルですが、これが多くの人を悩ませる最大の理由は、選択肢を自分自身が好きには選べない「物」があるという点です。
荷物を貨物室に預けるか機内に持ち込むかを決めるのは基本的には搭乗する私たちですが、「物」によってはこちらの意志と関係なく決定されているものもあります。
「荷物は何から何まで常に手元に置いておかないと気が済まない」という人がいたとして、その人が希望すれば全ての荷物を自分の座席まで持っていく(選択肢②)ことが出来るか?と言われると、そう出来ない場合があるということです。
詳しくはこの後それぞれの項目で解説しますが、非常に単純に分けるとすればこのような感じです。

①機内持ち込み禁止(=貨物室に預け入れが必要)の物の一例
 〇ハサミ、ナイフ、ゴルフクラブ 等の凶器となりうるもの 等
②貨物室への預け入れ禁止(=機内持ち込みが必要)の物の一例
 〇現金、有価証券類、美術品などの高価なものや貴重品 等

これらに加え、そもそも航空機による輸送そのものが認められていない物品も存在しています。
当然ながら、そういった物品の場合は預けることも座席に持っていくことも出来ません。
これらには航空法による制限のほか、航空会社が独自に定める規制物品もあり、全てを完全に把握することはなかなか困難です。

①預け入れ(飛行機の貨物室へ預ける)
手荷物預け入れカウンター (チェックインカウンター)

荷物を飛行機の貨物室に入れてもらう方法は、コンサート会場などでコートや手荷物をクロークに預けることをイメージすると分かりやすいと思います。
空港には荷物を預ける有人カウンター(チェックインカウンターと同じです)もしくは、全自動式の専用の機械が必ず設置されていますので、これらの施設を利用し、チェックイン手続きの後、保安検査場(後述)に入る前までに手続きを終わらせる必要があります。
そして、既に説明しました通り、飛行機の出発時刻の30分前までに手続きを完了させることが推奨されます。

尚、有人のカウンターであっても、自動の荷物預け入れ機であっても、必ず「航空券(チェックイン手続済)」が必要となりますので注意してください。
これは、その荷物の持ち主が正規の航空券を所持していることの確認と、持ち主がこれから搭乗する飛行機の貨物室内へ確実に荷物を搭載する為です。
考えてみれば当たり前ではありますが、意外と忘れてしまうこともあるので気を付けてください。
預ける荷物だけを持って行っても預かってもらえません。


貨物室に預けられる荷物については、機内持ち込みとは違い、大抵の物は預け入れ可能と考えてもらっても問題ありません。
しかし、航空法で輸送が禁止されているものや、航空会社が独自に定めるものなど、預け入れ出来ないものも一部存在します。
何を預けることが出来るか?ではなく、預けることが出来ない物は何か?を確認する方が分かりやすいです。

■(貨物室への)預け入れが出来ないもの。

1、温度や気圧など周囲の環境によって品質が変わる、または発火など状態が変化する恐れがある物。
  例)モバイルバッテリー(リチウムイオン)、ライター 等

  
  貨物室の中の環境は旅客が乗る座席のある空間と完全に同じ環境にはありません。
  旅客のいる空間は人が生存し活動する為に必要な気圧や温度が維持されますが、貨物室は別です。
  勿論、飛行中の外気と完全に同じ環境にはありませんが、人が快適に過ごせる環境ではないです。
  ですから、周囲の温度や気圧によって状態が変化するものは預けることが出来ません。

2、貴重品や高価な物。
  例)現金、宝石類、金券、通帳、小切手、パソコンおよび周辺機器類、携帯電話、カメラ 等


  実は、乗客が乗る客室内と貨物室内とは行き来が出来ない構造となっています。(※機種による)
  飛行中に「貨物室に預けた荷物から物を取り出したい。」ということは出来ません。
  また、預け入れ荷物が貨物室に搭載されるまでには沢山の場所を通過していきます。  
  金庫に入れたらそのまま目的地までGo!ではありませんから、貴重品や高価なものについては
  その扱いを管理(保証)出来ないということですね。

3、航空法で禁止されている物。(燃えやすいもの、爆発の恐れのあるもの など)
  例)ガソリン、灯油、カセットコンロ、花火 等


  航空法で規制されている物は、貨物室への預け入れも機内持ち込みも禁止です。

~国土交通省HP「航空機への危険物の持込みについて」から引用~

貨物室内に置いておいた荷物の一つが人知れず発火や破裂し、気が付いた時には貨物室内から飛行機が火災になる・・など、考えただけでも恐ろしいですね。。
空港で職員による厳格なチェックを行ってくれてはいますが、預ける側の私たちとしても基本的な知識くらいはしっかり持ち合わせ、万が一にも危険が起きることのないようにルールを順守し、快適な空の旅を楽しみましょう。

②自分の座席まで持って行く。(客室内に持ち込む)
客室内の頭上には荷物棚がある

自分が座る座席まで荷物を持っていきたいという方も多いと思います。
航空会社側も、貴重品や高価なものは貨物室ではなく座席(客室)へ持ち込むことを推奨しています。
自分の座席、つまり客室内へ荷物を持ちこむ場合、貨物室への預け入れに必要であった「荷物預け入れ」工程がありません。
よって、座席まで持ち込むのであれば特別な手続きは何もありません。(※保安検査はあります。)
但し、基本的な注意点として、客席内へ持ち込める荷物の個数に制限があり、一人あたり1つ(身の回り品1つと手荷物1つの計2つならOK)と定めている航空会社が多いです。※航空会社ごとに違いあり

「身の回り品」とは、小さめのハンドバックや手提げカバンなど。
「手荷物」とは、スーツケースなど。

個数だけでなく、持ち込める物品には他にも様々な制限があるので特に注意が必要です。
貨物室への預け入れと同様、航空法によって空輸が禁止されている物品や、航空会社が独自に禁止するものも多くあります。
詳細は後述する通り、客室内への持ち込みが禁止されている物は実はかなり多いのが実際のところですが、そういった物の多くは貨物室への預け入れなら可能という場合も多いです。
客室内への持ち込みが禁止であったとしても旅の所持品から外してしまうのは少しだけ早いかもしれません。

■機内持ち込みが出来ないもの。

1、機内で武器(凶器)として使用出来うる物など、ハイジャック行為に使えるもの全て。
  例)ハサミ、ナイフ、ゴルフクラブ、スタンガン など

  客室内への持ち込み禁止における基本的な概念は「ハイジャック行為の防止」です。
  ハイジャック行為には普通、何らかの凶器(武器)が用いられますので、飛行中は完全な
  密閉空間となる飛行機の中で凶器を所持する人間がいるというのはそれだけで危険です。
  ここでのポイントは、「凶器や武器となりうる物」が禁止であるということ。
  ナイフなどの凶器でなくても、ドライバーといった工具も先端の尖ったもので武器になります。
  「凶器」そのものだけではなく、先端の尖ったものや柄の長いものなど、凶器となりうるもの
  全てが客室内への持ち込み禁止です。


 2、サイズが大きい、または、重量が重いもの。
   例)3辺のサイズ合計が100cmを超えるもの、重量が10キロを超えるもの など


   理由は単純で、飛行機の客席内はスペースが限られるためです。
   自分が座る座席の前の座席の下の空間と、頭上に専用のキャビネットがありますので、
   そこに入るサイズでなければ客席内へは持ち込めないということです。
   ただ、航空会社ごとや、乗る飛行機の大きさや座席のクラスなどで多少変わってきます。
   空港の各航空会社の荷物預け入れカウンター前や保安検査場の前などに、持ち込みが可能か
   どうかを測れる計測器などが設置されていることが多いので、不安な場合は空港で一度確認して
   おくことをお勧めします。
   JALさんのHPが分かりやすいので紹介させてもらいます。
   ※一部省略しています。実際に搭乗する際は、各航空会社のHPを直接ご確認ください。

  

3、航空法で禁止されている物。(燃えやすいもの、爆発の恐れのあるもの など)
  例)ガソリン、灯油、カセットコンロ、花火


  貨物室への預け入れと全く同様で、客席内に持ち込むことも禁止です。

~国土交通省HP「航空機への危険物の持込みについて」から引用~
③「荷物の扱い」のまとめ

ここまで、機内(客席)に持ち込む荷物と貨物室へ預け入れる荷物の説明をしました。
それぞれにルールがあり、突き詰めていけば非常に細かいですが、基本的な考え方を理解してさえすれば対応は困難ではありません。
荷物の正しい扱いは、ひいては自分自身やほかの人達の安全にも繋がりますので、分からないときは、必ず航空会社等に確認をすることが大切といえます。
ここでもう一度簡単にまとめておきます。

貨物室へ預けられない物

・地上と同等の環境以外では品質が維持できず、または、発火したり爆発する恐れのあるもの。
  例)モバイルバッテリー(リチウムイオン)、ライター 等

・貴重品、高価なもの。
  例)現金、宝石類、金券、通帳、小切手、パソコンおよび周辺機器類、携帯電話、カメラ 等

・航空法で空輸が禁止されているものと、航空会社で独自に禁止を定めるもの。
  例)ガソリン、灯油、カセットコンロ、花火 等

ポイント 貨物室へ預けられない物でも、客席内への持込ならOKという物もある。

客室に持ち込めない物

・ハイジャック行為に使えるような凶器となりうる可能性のある物 など。
  例)ハサミ、ナイフ、ゴルフクラブ、スタンガン

・サイズが大きい、または、重量が重いもの。
  例)3辺のサイズ合計が100cmを超えるもの、重量が10キロを超えるもの など

・航空法で空輸が禁止されているものと、航空会社で独自に禁止を定めるもの など。
  例)ガソリン、灯油、カセットコンロ、花火 等

ポイント 客室内へ持ち込めない物でも、貨物室へ預けることでOKな物は多い。


ここで、「機内に持ち込むことができるか貨物室へ預けることができるかどうかについて航空会社等に問い合わせの多い品目等についての代表的なものの取扱い一覧表」を国土交通省がまとめていますので紹介します。

■国土交通省
・機内持込・お預け手荷物における危険物の代表例

物品をその内容ごとに厳密に分けて、「貨物室へ預け入れと客席内への持込可否」を明記しています。特定の物品について客席内への持ち込みが可能なのか、貨物室へ預け入れが可能なのかどうかを判断したい場合には、ここを見れば大概のものが分かると思います。

※↓こんな感じで数十ページあります。


国土交通省だけでなく政府広報HPにも、優しいタッチのイラストがふんだんに使われた非常に見やすい解説ページがあるので、こちらも併せてご紹介します。
誰が読んでも分かりやすい文章とイメージしやすい可愛い絵柄で丁寧に説明しており、すらすら読むことが出来ます。

■政府広報(内閣府)
・安全な空の旅のためにお出かけ前にご確認を。飛行機に持ち込めないもの。

※↓こんな感じ数ページあります。


さて、この後は「保安検査場」に向かいます。
続きは後編(保安検査場~飛行機への搭乗)※執筆中 記事で説明します。

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