初めての海外旅行!
日本では中々見ることの出来ない景色や出会い、不思議な味の食べ物など、とにかく刺激的で楽しい経験の連続です。
ところが悲しいかな、、海外旅行と切っても切れないのは素敵なことばかりではなく、異なる環境や食べ物による体調不良もまた起きやすかったりします。
旅行中に体調を崩してしまっては、せっかくの海外旅行が台無しになってしまう場合も。。
そこでこの記事では、初めての海外旅行をする人に向けて、旅の途中で体調を崩してしまうことをなるべく防ぐための出発前の準備や、旅行中の注意点などについて紹介していきます。
備えあれば憂いなし!
渡航前(旅行前)に準備しておくと良いこと
海外旅行まであと少し!という、旅に出発する前の段階。
でも、一旦はやる気持ちをぐっと抑えて!
どれも必須ではありませんが、旅先で万全な体調を確保するために、事前にやっておくと良いことが実はいくつかあるんです。
1, 病院で診察を受ける
海外旅行の出発前には病院で診察を受けるのがおススメです。
とはいえ、急に言われても「いやいや、風邪でもなければ体調悪くもないのになぜ病院へ行く必要がある?」と感じますよね。
日本と違い、海外は国によっては日本では想定されないような感染症の危険がある場合があります。
また、例えば普段から罹患しやすい病気があったり慢性的な症状等があるといった方もいらっしゃると思います。
感染症についていえば、その国で感染する可能性のある感染症について教えてもらい、その感染症の予防接種をしてもらえば多少でも安心に繋がります。
普段から罹患しやすい病気などがある方であれば、海外での過ごし方や注意点などをかかりつけのお医者さんに教えてもらったりすれば安心出来ますよね。
このような、海外旅行に備えた「予防」的な観点での診察は、実は海外旅行をするうえでは一般的だったりします。
かかりつけのお医者さんがいらっしゃる人なら、その先生に話を聞くのが良いでしょうし、もしそういった先生がいないのであれば、「渡航外来」や「トラベルクリニック」と呼ばれる医療機関を探してみてください。
参考までに、厚生労働省のHPとトラベルクリニック(渡航外来)のHPのリンクを載せておきます。
もちろん海外の医療機関を利用することも可能ですが、言葉の壁や文化の違いなどで不安な要素も残りますよね。
(※といっても、万が一現地で体調を崩してしまったら、臆せず病院にかかることは大切です!)
そういった意味でも、事前に日本での診察を受けておくことで、安心して旅行に出かけることができます。
2, 常用薬など薬の準備
普段から服用している薬や持病の薬など、必要な薬は必ず事前に用意しておきましょう。
旅先の現地(海外)でも薬の購入は可能かもしれませんが、目当ての薬が販売されていない場合や、そもそも薬局の探し方がわからないなど、何かしらの障害が生じる可能性があります。
初めての海外旅行であれば尚更、常用薬に関しては旅先(現地)では手に入らないと考えておくべきです。
出発前までに、旅の期間中に十分足りるだけの量を用意しておくことを忘れないようにしてください。
かかりつけのお医者さんに渡航先や拍数などを伝えて相談しておきましょう。
ちなみに常用薬までとはいかなくとも、常備薬は揃えているという人が多いと思います。
常備薬がある人も、普段から薬を一切常備していないという人も、現地での万が一の体調不良に備えて、市販の風邪薬や下痢止め、胃腸薬、鎮痛剤など一般的な常備薬を念のため持っていくことをおすすめします。
初めての海外旅行であれば、気が付かないうちに慣れない環境下で身体がストレスを貯めてしまっていることは往々にしてあります。
万が一の体調不良や怪我に備えた準備の一環として、基本的な常備薬一式を持っていくことを検討してください。
3,英文診断書の準備
英文診断書と言われてもあまり聞きなれない言葉だと思います。
文字通り、英語で作成してもらう「診断書」等のことを指します。
例えば、持病の有無やアレルギーの有無、治療中の病気がある場合はその内容、服用している薬があればその名称などが記載されています。
他に、予防接種の接種履歴などを証明している書類などを作成してくれる医療機関などもあります。
旅先で急に体調を崩した場合、その国によっては日本と同様の医療サービスを受けられない場合もあれば、現地の医師との間で十分な意思疎通が困難な場合など起こる場合もあります。
仮にそういった場合でも、現地の医師にこちらの状況や求めるものさえ正確に伝えることが出来さえすれば、現地で最善の対応をとってもらえるでしょう。
4,旅行保険への加入
俗に「海外旅行保険」と呼ばれるものです。
様々な保険会社が色々なサービスを提供しており、クレジットカードに自動付帯しているものもあるなど、実に多種多様です。
お勧めの保険については専門の比較サイトなどをご覧いただければと思いますが、「ケガ・病気」などの補償についてしっかり確認するように注意してください。
海外では国によっては、ちょっとしたケガや病気だけの医療行為でも高額な費用を請求される場合があります。
厚生労働省の検疫所のHPが分かりやすいので、文章を一部引用させていただきます。
海外でも日本と同じような医療を受けられると思っていらっしゃいませんか。
厚生労働省検疫所 公式HP「海外で健康に過ごす為に」より引用
実際のところ、国によっては大きなケガをした場合など、十分な治療ができない場合もあります。
ご自分で動くことができなくなってしまったなら、治療設備の整った地域(場合によっては日本)への空輸などに1,000万円を超える多額の費用がかかることもありえます。
また、一般に海外での医療費は日本と比べると非常に高額です。かぜのような症状で、ちょっと検査をしたら数万円は普通です。治療に先立って所持金の確認をされたり、一時金を要求されたりすることもあります。
5,海外旅行へ持っていくと良い(準備しておくと良い)もの
どれも絶対必須!というわけではありませんが、あると役に立つ場合がある、というものをまとめてみました。
先に紹介したものと重複しているものがありますが、全てまとめる意味で記載しています。
- 常備薬:解熱剤、痛み止め、酔い止めなど一般的なもの。自身が飲みやすい形状(錠剤、顆粒)でそろえておくと良いです。更に、旅の日数より数日分多めに持っていけば更に〇。
- 常用薬:現地では手に入らないと考えて、旅の日数分しっかり用意しておくべきです。
- 虫よけ:DEET 20-30%の虫よけ剤を持参しましょう。蚊やダニなどの身近な害虫が媒介する病気も多くあります。ちなみに、DEETは「ディート」と呼ばれる虫の忌避剤の名前です。アース製薬さんのHPが分かりやすいので、リンクを貼っておきます。
- 日焼け止め:SPF 15以上の日焼け止めは必須です。国によっては日差しが強い場所などもあります。
- 手の消毒用アルコール:常備しておくとちょっとした瞬間にすっと使用出来るので、衛生面で安心できます。
- ばんそうこう、ガーゼなどの傷処置用具:海外に限ったことではありませんが、万が一のケガや傷の処置に必要となるので。。
- 衛生用品:生理用品など。薬と同じで、旅先では自身に合うものが手に入らない可能性もあります。個人の用途に合わせて準備しておきましょう。
- マラリアの予防薬:旅行先がマラリアの流行地域であれば、マラリアの予防薬の服用は必須といえます。
ちなみに、旅行に行く前に服用するものです。渡航先の流行の程度などによって服用すべき薬や飲む頻度、タイミングが異なりますので、旅行が決まったら早めに医療機関で相談するのが良いです。
旅行中(渡航先)に気を付けた方がよいこと
旅に出る前までの「やっておくと良いこと」について紹介してきました。
ここからは、いざ海外!ということで、実際に旅先(現地)に着いてあと、滞在中に出来ることや気を付けるとよいことについて書いていきます。
どれも至って単純で当たり前のことばかりです。
でも、海外旅行は普段と異なる環境下!当たり前のことが当たり前に出来なくなってしまっている可能性もあります。
そういう時だからこそ、当たり前の「基本」を意識して立ち返ることが大切になってきます。
1, 水に注意する
海外では、生水は言うまでもなく、水道水であってもそのまま飲んだり料理に使うといったことは避けるようにしましょう。
現地の水質や衛生状態が日本の水道事情とは異なることが多く、誤って飲用してしまうと体調不良の原因になる可能性がある為です。
海外旅行で飲料として水を飲む場合、必ずペットボトル等でパッキングされているミネラルウォーターを購入するようにしてください。
ところで、蛇口から出る水道水を直接飲みさえしなければ安全かと言えば、残念ながらそうとも言い切れないことがあります。
例えば、レストランやカフェで出てくる飲料は比較的安全ではあるものの、それでも注意するべきポイントがあります。
その飲料の中に、現地の水道水を凍らせて作った氷が使用されているかもしれませんし、コップなどの容器を水道水で洗っていて、その水が残っている可能性などもありえます。
神経質になりすぎるのでは?と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、特に初めての海外旅行ではこれくらい慎重になってもやりすぎることはありません。
■水道水が飲める国はあるの?
海外では原則として水道の水は飲まないのが望ましいですが、日本と同等の衛生基準が満たされている国ももちろん存在しています。
ですが、水が飲める国の具体的な名はここでは挙げません。
旅をすると決めたら、ご自身が渡航する国の水事情を外務省HPなど信頼できる情報源で確認するようにしてください。
それらの国では、日本と同様の感覚で水道水からの水を料理や飲用に使用しても問題ありません。
ただし、水の種類が「軟水」か「硬水」かの確認は忘れずにしておきましょう。
日本は「軟水」が主流なので、「硬水」を飲むとお腹を下してしまう方が多くいます。
水道水の衛生基準が徹底されている国かどうかは、外務省や厚生労働省検疫所のHP等で調べるようにしましょう。
また、仮に水がそのまま飲める国であったとしても、積極的に飲むことは避けた方が良いかも。。
2,生ものを避けるなど、食べるものに注意する
食事に関しても注意が必要です。
魚介類や肉、野菜や乳・卵製品などの生ものは極力避けるようにした方がよいです。
海外の一部の国では、食材全般の衛生状態が十分でない場合があるからです。
お腹を下したり、何らかの感染症に罹患するといったリスクがあります。
特に、屋外に並ぶ屋台などは衛生面で不明瞭なことが多い為、とりわけ注意が必要と考えましょう。
屋台は勿論、そうでなくとも基本的には必ず加熱調理されたものを選ぶようにしてください。
例外として、有名レストランなど何かしらの確実に安心出来る情報を得られている飲食施設なのであれば、例え生ものであっても安心して食べられると思います。
水と生ものについては、農林水産省のHPでも注意喚起がされていますので併せてご覧ください。
3,適度な休息と十分な睡眠を「意識して」確保する
初めての海外旅行となると、国内を旅する以上に疲労がたまりやすく睡眠不足にもなりがちです。
最初のうちは気分が昂っていたりして自分では気が付かない場合もあるかもしれませんが、疲労は確実に蓄積していると考えてください。
とはいっても折角の海外旅行ですし、少ない日数を最大限効率的に使用したい!という気持ちから、多少過密なスケジュールを組んでしまうこともあるでしょう。
過密すぎるスケジュールは体調不良のリスクを高めるので、可能であれば余裕のあるスケジュールを組むことが望ましいところです。
それがどうしても無理なのでであれば、せめて旅先では適度な休息と十分な睡眠をしっかり確保するようにしてください。
また、海外と日本では時間が異なる為、いわゆる時差ボケに身体が疲弊してしまうことも良くあります。
完全に防止するのは難しいかもしれませんが、移動中の飛行機内で十分な睡眠をとることが肝要です。
その際、少しでも時差ボケを防ぐ(緩和する)ために、旅行先(現地)の時間帯に合わせた睡眠を心掛けるようにすると良いです。
適度な休息と十分な睡眠時間を確保することで、体力や免疫力を維持することができます。
時差ぼけのある地域では現地の時間に合わせて早めに就寝するなど、行動や睡眠のリズムを現地に合わせて整えていくことがポイントです。
4,現地の気温や気候に身体を慣らす
何も海外旅行に限定するものではありませんが、旅先(現地)の気候や気温に合わせて適切な服装を選ぶなど、気候への対策をしっかり行いましょう。
寒い地域や乾燥しやすい地域に行くのであれば、暖かい服や保湿アイテムなどを用意する。
極寒や高温など極端な環境下の地域に向かう場合であれば、カーディガンやストールなどの軽く持ち運びができる服を持参することで体温調節がしやすくするなど、目的地の情報をしっかり確認して準備するようにしてください。
どのような環境下でどういった服装が望ましいか?ということについては、日本国内での旅行時と基本的な考え方は同じです。
5,蚊やダニなどの虫対策は徹底的に!
海外の一部の国や地域では、とりわけ蚊やダニなど虫に刺されないように注意することが重要です。
マラリアやデング熱、ダニ熱(リケッチア疾患)といった病気は、蚊やダニなどの虫に刺されたり嚙まれたりすることが原因で感染する恐れがあります。
予防の基本は、こういった虫が生息するような場所(草むらなど)を避けることです。
それに加えて、屋外で過ごす場合に肌を露出しない服装を心がけることや、虫よけスプレー、虫よけクリームを使用するなど複数の対策を同時に実施することで防止の程度を上げていくのがおススメです。
海外でも国によって、感染リスクの高さや感染する恐れのある感染症は異なります。
予め自身の旅先の情報を確認しておき、感染の媒介となる虫に特化した対策を取れれば安心度は高まります。
「渡航前にやっておくと良いこと」の章で記載しましたが、旅に出る前に感染のリスクがある感染症の予防接種を受けておくことも良いですね。
6,野鳥や野生の動物に注意
日本では中々見られないような種類の鳥や動物達との触れあいは海外旅行の大きな魅力の一つです。
しかし、これらの野生動物と接する際には十分な注意が必要であるということも忘れないようにしてください。
蚊やダニなどの虫と同様で、感染症や病気に罹患するリスクが考えられる為です。
一例として、鳥からは鳥インフルエンザ、野生の犬であれば狂犬病、ラクダからは中東呼吸器症候群(MERS・マーズ)といった感染リスクがあります。
勿論、触れただけで感染することが確実というわけではありません。
動物達と楽しく触れ合うこと自体をやめるべきということではなく塩梅が難しいところではありますが、狂犬病など日本国内では過去に根絶されている病気であっても、依然として感染リスクが存在している国もあります。
中には極めて致死率の高い恐ろしい病気もあります。
野生の動物には近寄らないようにすることや、動物と触れ合ったあとは触れた箇所を確実に洗浄するなど基本的な対策を徹底することが望ましいでしょう。
万が一、旅先(渡航先)で体調を崩してしまったら・・
海外旅行中に現地で体調を崩してしまった場合は、(不安にさせてしまう意図はありませんが)大きな病気や感染症に罹患してしまっていた場合に早期の治療を始める為にも、我慢したりせず適切な対処を行うことが大切です。
1,常備薬の服用
症状の種類や程度にもよりますが、常備薬の服用で症状が改善する場合もあるかもしれません。
自己の判断だけでは病気の原因が分からない為、筆者の私としては、「薬を飲んで症状が治れば万事OK」とここで断言は出来ません。
ただ、常備薬を服用して症状が完全に改善したならば、その後の経過をしっかり観察しつつ帰国まで様子を見ることを選択することはあってもよいと考えます。
(※但し、少しでもおかしな兆候が残っていたり出てきたりしたならば、現地医療機関の受診を検討すべきです)
2,現地医療機関の受診
常備薬を飲んでも症状が改善しない場合や、明らかに症状が強い場合など危険を感じる場合は、躊躇せず現地の医療機関を受診しましょう。
旅行会社のツアーに参加していて添乗員がいらっしゃる場合はその添乗員へ相談してください。
ツアーではなく、個人旅行などで頼れる人が周囲にいない場合は、宿泊しているホテルのフロント(レセプション)に相談してみてください。
いずれの場合も近隣の医療機関を探して紹介や連絡をしてくれるはずです。
それが難しい事情があるようであれば、日本の在外公館(総領事館、大使館)に相談するのも選択肢の一つです。
日本の在外公館の場所などは旅行前にしっかり調べておくと安心出来ますね。
■海外の医療機関の診療費用
海外の医療機関は日本と比較して非常に高額であるということは知っておくべきでしょう。
国や医療機関によって金額も千差万別ですので、具体的な金額を示すことは出来ませんが、数万円~数十万というくらの幅で請求される場合も決して少なくありません。
医療費は高額ながら、医療機関によっては現金しか扱えない場合があります。
医療機関へ向かう際にはクレジットカードの他に、ある程度まとまった現金も持参することが大切となってきます。パスポートも忘れず持参するようにしてください。
他にも、英文診断書などを日本で用意していたのであれば一緒に持っていきましょう。
それと、「渡航前にやっておくと良いこと」の章で紹介した「海外旅行保険」はこのような時に適用できるかもしれません。
保険の種類によって提供されるサービスは異なるものの、高額な医療費を補償してもらえることや、受診に係る様々なサポートを受けられることがあるので、加入している場合は先に連絡しておくことをおススメします。
まとめ
初めての海外旅行は、日本では体験できない貴重な経験や出会いの宝庫です。
そんなかけがえのない体験を心から満喫するためにも、渡航前や渡航中は体調管理に普段以上に気を付けていきたいですね。
この記事では、基本的な事柄のみではあるものの、具体的な対策について紹介させていただきました。
度を越えて慎重になりすぎては、楽しい旅行も楽しくなくなってしまうのでは?という気持ちを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、とりわけ海外旅行においては健康管理は重要な要素の一つです。
旅に慣れていくにつれて、徐々に自身の身体や心そのものが海外の環境に慣れていきますし、そうなると、基本的な対策などはあえて意識せずとも自然とこなせるようになっていきます。
そうなると「大変だな」や「面倒だな」という負の感情はなくなっていくはずです。
海外旅行を芯まで楽しみ、今後長く付き合っていくためにも、始めのうちだけはこれらの体調管理に注意を払うことを念頭においていただければと思います。
よい旅ライフを送りましょう!
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