昨今、北海道の面積の大きさが話題になることも増えてきた印象があるので、昔と比べると北海道の大きさがだいぶ世間一般に周知され始めてきているとは思うものの、まだまだ具体的な距離感についてつかみにくいところも多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、そんな巨大すぎる北海道の玄関口である新千歳空港と、北海道最大の都市である札幌の札幌駅を結ぶ交通手段について解説していきます。
新千歳空港から札幌までの移動手段は複数存在しますので、この記事で自分にとってベストな方法を探してみてください。
新千歳空港と札幌駅の移動手段
北海道の空の玄関口である新千歳空港と北海道最大の都市である札幌の札幌駅は、直線距離にすると概ね40kmほどの距離となります。
40kmといわれてもなんとなくピンとこないかもしれないので、ざっくりですがグーグルマップを使って関東圏で調べてみました。
すると、東京駅を起点として概ね40km圏内は、東京なら八王子あたり、千葉なら千葉市あたり、埼玉なら久喜、神奈川なら鎌倉の手前くらい、茨城ならつくば市くらい、という感じです。
関東圏ではない方には分かりにくい比較となってしまいましてすみません。
感じ方は人それぞれあるかと思いますが、広大な北海道という大地であることを踏まえるとかなり近い方だと筆者などは感じてしまいます。
・・と、話が逸れてしまいました。
そんな新千歳空港と札幌駅の移動手段として主要なものは次の3つです。
JR
定番中の定番といえば、やっぱりJR。
公共交通手段の中でも安定したその立ち位置は、北国北海道であっても同じです。
列車の名前は快速エアポート。一見すると特急のようなネーミングですが、普通の乗車券でも利用可能です。
羽田空港などと同じように、駅も新千歳空港の国内線ターミナル地下1階で直結しているので、スムーズな乗り継ぎが可能です。
概ね10~15分間隔の運行と本数も充分にあり、乗り換えなしで札幌駅まで行くことができるのも魅力ですね。
- 所要時間: 最速で33分
- 料金: 自由席1,150円※、指定席利用の場合は別途840円が必要です。
※2025年4月1日以降、1,230円に料金改正予定 - メリット: 運行本数が多く時間も正確なので、予定を立てやすい。
- デメリット: 通勤通学時間帯は車内が混雑する場合がある。
空港連絡バス
JRと並び、公共交通手段として代表的といえるのがバス。
新千歳空港と札幌駅を結ぶバスはいくつかの会社が路線として運航しているので、特定のバス会社さんにこだわりがあるなどの事情がない限り、選択肢が豊富でJRと並んで非常に便利な移動手段といえます。
- 所要時間: 約70~90分 ※道路状況により変動あり
- 料金: 1,300円※ ※乗り場によって変動します
- メリット: 大きな荷物は専用の荷物置場に預けられるので楽に移動が出来る。車窓からの景色を楽しめるのも魅力。
- デメリット: 道路状況によって所要時間が変動する場合がある。
タクシー
せっかくの旅、少しくらいリッチな気分に浸りたい!という時は迷わずタクシーで移動しましょう。
タクシーターミナルは空港の国内線国際線のいずれにもしっかり備わっていてアクセスについては不満なしです。
また、空港からの移動だけでなく、札幌市内の観光地巡りにチャーター(貸し切り)サービスを提供しているタクシー会社さんもあり、様々なサービスを選択することが出来ます。
- 所要時間: 約70~90分 ※道路状況により変動あり。
- 料金: 通常のメーター制の場合は、概ね11,000円前後(高速道路利用)。
- メリット: 荷物が多い場合や、目的地まで直接行きたい場合に極めて便利。
- デメリット: 他の移動手段と比較すると料金が高い。
レンタカー
新千歳空港にはレンタカー会社が複数あり、自分に合った車を選ぶことが可能です。
札幌駅まで自身で運転する必要はありますが、北海道の雄大な景色を自由に楽しめるなど、自分のペースで移動出来るのが最大のメリットといえるでしょう。
- 所要時間: 高速道路なら約60分、一般道なら90分前後 ※道路状況により変動あり。
- 料金: 利用する車種によって異なる。
- メリット: 時間やルートが自在に決められるので、立ち寄りなど札幌以外への観光も容易。
- デメリット: 長距離運転による疲労。車種によっては料金が他の手段より高くなる場合がある。
JR快速エアポートでお得で早い移動
ここからは、各移動手段をもう少し掘り下げてみていきましょう。
最初はJR快速エアポート。
JR快速エアポートのメリットを他の移動手段と比較しながら紹介していきます。
JR快速エアポートの強み:他の移動手段と比較して
JR快速エアポートの最大の強みは、速さ、正確さ、そして快適さです。
所要時間は最速で約33分と、他の移動手段と比べても圧倒的に短時間で新千歳空港と札幌間を繋ぎます。
どうしても道路の混雑状況に左右されてしまうバスやタクシー、レンタカーと比べても大きな利点の一つといえるでしょう。
特に、初めての北海道旅行で、少しでも現地での観光に時間を使いたいという方にとっては、所要時間が正確に読めるJRは非常に心強い味方となります。
運行本数も多く、約15分間隔で運行しているため、待ち時間をほとんど気にすることなく利用できます。
指定席でゆったり快適な移動を
JR快速エアポートは基本的には普通の乗車券だけで利用可能ですが、一部車両が指定席(uシート)として設定されています。
利用には乗車券の他に指定席券が別途840円が必要とはなりますが、確実に座って移動したい方や大きな荷物を持っていて座席を確保したいという方には大変おすすめです。
JR快速エアポートの料金
料金面でJR快速エアポートは非常に優れています。
指定席を利用しなければ、片道1,150円(※2025年4月から料金改定予定)で利用できます。
空港連絡バスも料金は1,300円とほぼ同額といえますが、所要時間を考えるとJRの方が短い所要時間で移動が可能です。
JR快速エアポートのデメリット
メリットが目立つJR快速エアポートですが、デメリットはあるのでしょうか。
強いてあげるならば、通勤通学時間帯には車内が非常に混雑する場合があるということでしょう。
沿線の人達にとっても大切な路線の為、学生さんや会社通勤の方の利用も多い路線です。
ただし、本数も決して少なくないので、例えば都心部の朝の通勤ラッシュなどと比較すると、それほどの混雑というわけではありません。(※筆者の個人的な印象です)
大きな荷物などがある場合は車内での移動が困難となるかもしれませんが、どうしても気になるようであれば、指定席を利用することで荷物の置き場所も確実に確保することが可能です。
結論:JR快速エアポートはどんな人にもおすすめ出来る
JR快速エアポートは、速さ、正確さ、快適さ、そして料金のバランスが非常に優れているので、初めての北海道旅行などで時間を有効に使いたい方や、少しでも費用を抑えたいという方には最も安定した選択と言えるのではないでしょうか。
普通の乗車券で利用出来ますが、朝や帰宅時などの通勤通学時間帯で混雑する時間帯に利用する場合は、指定席の利用も視野に入れることで、文字通り万能な移動手段となりえます。
どの移動手段を選ぶべきか漠然と悩んでいる場合なども特におススメ出来る手段です。
空港アクセスバスでゆっくり座って街並み観光
続いて紹介するのは空港と札幌を結ぶバス。
確実に座席に座ることが出来るバスの移動は、乗ってしまえば宿泊先など目的地周辺まで直行できてとってもラクちんです。
料金もJRと比べて少し安い場合が多く、観光スポットが多いエリアでの途中下車もしやすいなどメリット沢山です。
空港アクセスバスの強み:他の移動手段と比較して
確実に座って移動出来るのはバスのメリットの一つでしょう。
持っている大きな荷物も車内の専用スペースに預けることが出来て身軽ですし、料金もJRと並ぶ程度にお得です。
所要時間はJRと比較するとどうしてもやや長くはなりますが、それも旅の醍醐味の一つと考えれば問題なしでしょう。
そしてなによりも、行き先の選択肢が豊富なのがバスの最大のメリットです。
目的地によっては、バスでそのまま直行、なんてことが出来る場合もありますよ。
料金がお得
空港連絡バスは、乗り場やバス会社によって異なる場合もあるものの、概ね片道1,300円で移動が可能です。
JR快速エアポートと比べると僅かに高いですが、JR快速エアポートも指定席券を購入する場合と比較すると、バスの方がお得になります。
- 空港連絡バス: 札幌市内と新千歳空港間は概ね、片道1,300円。
- JR(快速エアポート): 自由席1,150円、指定席利用の場合は別途840円。※2025年4月1日~料金改正予定
大きな荷物があっても安心
旅行となると、どうしてもなにかと荷物が多くなりがちです。
そんな時でも、空港連絡バスであれば、車両のトランクルームに大きな荷物を預けることができるので、手荷物を気にすることなくゆったりと移動が出来ます。
そのうえ、バスは乗り場が複数あるので、目的地の近くに乗り場(降り場)があれば、荷物を持って移動する距離も時間も短くすることができます。
JR快速エアポートも荷物を置く為の専用スペースが充実していますが、どうしても利用客が多い混雑時間帯となると大きな荷物を持っての移動には負担が伴ってしまいます。
大きな荷物を持っていく旅であれば、空港連絡バスは強い味方となるでしょう。
景色を楽しみながら楽しく移動
移動中、バスの車窓からは北海道の雄大な景色を眺めることができます。
JR快速エアポートによる車窓の景色も素敵で、優劣をつけられるものではありませんが、バスから見ることの出来る街並みなどの景色は、バス移動の魅力の一つといえます。
空港連絡バスのデメリット
では、空港連絡バスにデメリットがあるとしたらどのようなものが挙げられるでしょうか。
JR快速エアポートと同様で、見過ごすことが出来ないといった大きなデメリットはありません。
強いてあげるとすれば、所要時間が約1時間〜1時間30分程度と多少長くなる可能性があるという点でしょう。
JR快速エアポートの場合は最速だと約33分で移動が出来るので、比較しても倍近い時間がかかることになります。
時間に余裕がない場合は、JR快速エアポートの利用を検討する方が良いでしょう。
所要時間は、道路の混雑状況によっては更に遅くなる場合もあります。
通勤ラッシュの時間帯や悪天候時などは遅延が発生する可能性もあるので注意が必要です。
結論:空港連絡バスはゆったり旅気分を味わいたい時におすすめ
初めての北海道旅行で、新千歳空港と札幌駅の間の景色も含めて北海道をゆっくり眺めてみたい、という人には、時間を気にせずゆったり快適に移動できるバスがおススメです。
料金、利便性、快適性のどれをとっても、JR快速エアポートと並ぶ便利な移動手段です。
特に大きな荷物を持っている場合や、目的地の近くにバスの乗り場(降り場)がある場合は、空港連絡バスの利用を検討してみてください。
自分のペースで自由自在!タクシーやレンタカー
千歳空港と札幌の移動にタクシーやレンタカーを利用する方法ももちろんあります。
ここからは、タクシーやレンタカーを利用した移動について紹介していきます。
タクシーやレンタカーの強み:他の移動手段と比較して
タクシーやレンタカーによる移動は、他の方法と比べて待ち時間や乗り換えなどを気にする必要がなく、ドアツードアで移動できるのが最大の強みです。
どうしても道路事情に左右されてしまうので、移動にかかる所要時間が読みにくいという面はあるものの、プライベートな空間でくつろげるメリットはそれを補って余りあるといえるでしょう。
タクシーであれば定額運賃サービスを提供している会社もありますし、レンタカーであれば、北海道の広大な道路を自由に自分のペースで移動出来る楽しみがあります。
数多ある観光スポットや温泉地へ思いのまま寄り道するなど、自分好みのルートを気軽に決められるのは大きな魅力です。
タクシー
他の移動手段と比較して、料金は高くなりますが、その分、快適さと利便性は群を抜いています。
自分へのご褒美として、また、いつもと違う特別な旅を企画したい時などにベストな選択となりますね。
ドアtoドアでストレスフリー
ホテルでも駅でも、どんな目的地でもその至近まで直接送ってくれるタクシーなら、重い荷物でもたくさんのお土産であっても、移動のストレスから完全に解放されます。
時間の有効活用
タクシーなら、移動中の時間も自由に使うことが出来ます。
ぼーっと車窓の景色を楽しむのはもちろん、本を読んだりビジネスの連絡をしたりも出来るので、移動時間をしっかり有効に活用できます。
タクシーのデメリット
メリットばかりのタクシーによる移動ですが、なんといっても料金が他の移動手段と比較して高くなってしまいます。
ただし、複数人で同時に利用するとなれば、一人当たりの負担額は抑えることができますので、他の移動手段と比較して決して割高すぎるということはなくなります。
新千歳空港と札幌駅の間を予め定めた金額(定額)で結ぶサービスもありますので、移動時の人数や目的地などシチュエーションによって判断すると良いでしょう。
レンタカー
レンタカーは、タクシーと異なり、完全に自分だけのプライベート空間を確保できるのがメリットといえます。
北海道の雄大な自然を周囲に気兼ねせずに満喫したいという人や、自分のペースで自由に各地を巡りたいというアクティブな方に最適な移動手段となります。
自由自在な移動
レンタカーの最大の強みは、行きたい場所に、好きな時に、誰にも気兼ねなく自由に訪れることができるという点に尽きるでしょう。
公共交通機関のように時間を気にする必要もなく、好きなタイミングで移動が出来ます。
観光地巡りに最適
広大な北海道は、どうしても公共交通機関だけではアクセスしにくい穴場スポットや絶景ポイントなどが一定数存在します。
札幌と新千歳空港の間であっても、道中で立ち寄ることが出来る観光地が複数存在しているので、そういった場所に気軽に足を運べてしまいます。
荷物の心配一切なし
タクシーと同じく、どれだけ大きな荷物やたくさんのお土産があっても、周囲や収納スペースを気にすることなく運搬が出来ます。
レンタカーのデメリット
自由自在な移動が最大の強みといえるレンタカーですが、デメリットといえば、自分で運転しなくてはならない点が挙げられます。
北海道は極めて広大な土地です。
札幌と新千歳空港の間は全線が整備されていて高規格な道路ですので、安心して運転出来ますが、それでも長距離運転となりますので、初めての北海道に来たという場合は多少の緊張を伴うかもしれません。
また、道中で観光地などに立ち寄る場合には、駐車場を探す必要があるという点も忘れてはいけません。
特に札幌市内などの都心部となると、他の大都市同様に駐車場を探すのに少々苦労する場合もあるでしょう。
事前に駐車場の情報を調べておくことをお勧めします。
そして、冬季は運転に最大限の注意が必要となります。
北海道の冬道は、雪道や凍結路面など運転に特別な注意が必要な状態となります。
時期や道によっては一時的に積雪が少ない日や場所もありますが、基本的に冬季間中は路面には常に積雪があると認識しておく方が良いです。
雪道に慣れていない人は、冬のレンタカー利用ははっきり避けた方が賢明といえます。
■「私は大丈夫」や「今時のスタッドレスタイヤなら大丈夫」は危険!!
冬の北海道の道は慣れていない人には本当に危険です。
筆者は冬の北海道もかなりの距離を車で移動していますが、それでも雪道は常にひやひやしながら走行しています。
「私はゆっくり慎重に運転するから大丈夫!」という方がいるかもしれませんが、雪道は自分の車以外の車が滑ってぶつかることもあります。いわゆるもらい事故というものですね。
どれだけ自身が慎重に運転していても、事故に遭ってしまう可能性があるということです。
それから、現代のスタッドレスタイヤの性能や車の性能を過信する人がいます。
確かに今の車やタイヤはとても性能が高いので、慣れている人であれば乾いた道を走るのとほとんど変わらないくらいの速度で走行することが出来る場合もあります。
ただし、それでも過信は禁物です。
筆者が冬期間中に北海道内を毎日車で走行していた時期には、誇張でもなんでもなく3日に1回くらいの頻度で事故現場を直接目撃していました。
北海道の雪道に慣れた人達ですら、横転してしまったりスリップして他車や壁に接触しているわけです。
雪道に慣れている人であればともかく、年に2,3回程度、雪山のスキー場に行くというようであれば、北海道の冬をレンタカーで移動することが本当に必要かどうか、一度慎重に判断することをお勧めします。
結論:タクシーやレンタカーは、自由な移動をしたい人に
道路事情に左右されるという欠点はあるものの、時間も目的地も自由に決められるタクシーやレンタカー。
他の移動手段と比較して、総じて料金は高くなってしまいますが、それ以上にメリットが沢山存在しています。
レンタカーであれば、札幌と新千歳空港以外の移動もこなせますし、タクシーであれば、目的地によって公共交通機関と併せて利用するという柔軟な方法も取りえます。
JRや空港連絡バス以上に、より「旅」に特化した手段といえるので、ビジネスなどの用途ではなく「旅行」であれば、レンタカーやタクシーを選択肢とするのは大いにありだと思います。
まとめ
新千歳空港と札幌を結ぶ移動方法を紹介してきました。
JRの快速エアポートや空港連絡バス、タクシーにレンタカーが基本的な移動手段となります。
どの方法もそれぞれに特徴や強みがあり、時間を優先したいならJR、座ってゆったり行きたいならバスを検討するなど、自分の用途に合ったアクセス手段を選びましょう。
新千歳空港と札幌の間の移動に限定せず、その他の行程も併せて検討すると、よりよい選択肢を選ぶことが出来ると思います。
この記事で、あなたにぴったりの交通手段を見つけてみてください!
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