【飛行機の乗り方】モバイルバッテリーは機内持込み出来る?それとも預ける必要あり?

飛行機

飛行機に乗る際、航空機の安全の為、機内に持っていける物や荷物として預けられるものに一定の制限が設けられています。
これは基本的に危険物やそれに準ずる物を預け入れたり機内への持込みを禁止するという目的によるものですが、その中でも意外と盲点となりがちなのが、スマホなどの充電に使用出来る「モバイルバッテリー」です。
モバイルバッテリーを所持して旅に出て飛行機に乗る場合は、持ち込みや預け入れに係るルールを注意して把握しておくべきでしょう。
旅先では普段以上にスマホなどの電子機器の活躍が増えるので、バッテリーの残量を維持するのは切実な問題です。
普段から使い慣れたモバイルバッテリーを旅先でも安心して持っていけるように、飛行機に乗る際のルールについて把握しておきましょう!

スマホなどの強い味方のモバイルバッテリー。

飛行機に乗る場合のモバイルバッテリーの扱いについて

最早スマホと同じくらいに必需品とさえいえるモバイルバッテリーですが、飛行機に乗る際には一定のルールがあります。
ルールといっても単純で、他の荷物と同じく、飛行機の機内(座席)まで直接持っていくか、飛行機の貨物室へ荷物として預け入れるかの大きく2択のみです。
旅の強い味方となるモバイルバッテリーを持っていく為にも、飛行機搭乗時のルールをしっかり確認しておきましょう。
そうすることで、当日、空港の保安検査場などで慌てることなくスムーズに搭乗ができますし、なにより旅先で安心してスマホやタブレットなどの電子機器を使うことが出来ます。

預け入れ荷物として預けることは出来る?

実は、飛行機に搭乗する際にモバイルバッテリーを荷物として預けることは原則として出来ません

端的にいえば、モバイルバッテリーに内蔵されているリチウムイオン電池が、衝撃や気圧の変化、ショートなどによって発熱・発火する危険性があるというのがその理由です。
飛行機の中にある貨物室は客室と異なり、万が一発火などの非常事態が発生した場合に迅速な対応が難しく、安全な飛行をする上でのリスクが高まってしまいます。
そのため、国際的な航空安全基準(※国際民間航空条約附属書第18及びこれに係る危険物の航空安全輸送に関する技術指針、他。日本国内ではこれに準拠して航空法で定められています。)に基づいて、リチウムイオン電池を含むモバイルバッテリーは預入荷物として預けることが禁止されているんです。

従って、モバイルバッテリーを旅に持っていきたい場合、飛行機に乗る際には必ず機内持ち込み手荷物として座席へ持っていく必要があります

注意したいのは、モバイルバッテリーを飛行機の機内(座席)に持っていく場合にも一定の制限が設けられているという点です。
詳細は後の段で紹介していきます。

モバイルバッテリーを荷物として預けることは出来ない

ちなみに、モバイルバッテリーの中にはニッケル水素などリチウムイオン以外の電池を用いたものもありますが、現在はリチウムイオンが主流なので、この記事ではリチウムイオン式のモバイルバッテリーを前提として紹介していきます。

■飛行機の貨物室について

少し余談です。
基本的には飛行機の貨物室内には、万が一の火災等に対する手段がきちんと備えられています。
ただ、ほとんどの機体が飛行中に客席から貨物室内へ入ることが出来ない構造の為、例えば火災であれば自動消火装置の作動後に完全に火が消火されたかどうかなど、発生した異常事態に対する措置の完了を直接確認することが困難です。
その為、貨物室内における火災などの異常事態が生じた航空機は近隣の空港に緊急着陸することになります。

国内線と国際線でのモバイルバッテリー持ち込み制限に違いはある?

航空機によるモバイルバッテリー等の輸送については、上述の通り「国際的な航空安全基準」に基づいている為、基本的な対応方針は国内線も国際線もほぼ同じものと認識して問題ありません。
但し、いくつか注意すべき点もあります。

国際線も国内線も基本的には同じ

保安検査の基準

ざっくりとした表現ですが、一般的に国際線の方が国内線よりも保安検査の基準は厳しくなります。
これは何も単純な持込み制限品のルール自体の違いという話だけではありません。
国際線に求められる保安検査機器等の性能や検査方法なども国内線より高い(厳しい)設定がされます。
更に国際線の場合は空港や航空会社によって、通常の保安検査の後に飛行機への搭乗直前で再度保安検査(荷物検査)を受けなくてはならいないという場合もあります。
国内線の保安検査も関連規程に基づく確認は徹底されて行われていますが、国際線を利用する際は、モバイルバッテリーの製品情報や表示箇所などをより詳細に、かつ、実際に実物を見せることを求められるようなこともありえますので、そういったことも踏まえて準備しておくことが望ましいです。
(※もちろん、国内線であっても同様の確認を求められる場合があります。)

保安検査時の通過は慎重に行いたい

航空会社による規定の違い

これは国内線と国際線の別に関わらないのですが、航空会社によってモバイルバッテリーの持ち込み条件が細部で異なる場合があります。
事前に自身が搭乗予定の航空会社のウェブサイトなどで最新情報を確認しておくことをお勧めします。
基本的なルールについてはこの記事の中で紹介していきますので参照ください。

飛行機の機内へ持ち込む場合のルール

飛行機に乗る場合、モバイルバッテリーは機内(座席)まで持ち込まなければならないことは分かっていただけたと思います。
ところが、モバイルバッテリーは飛行機の座席へ持っていくのであればなんでもOK!というわけではないのが次の注意点となります。
機内へ持ち込む場合であっても一定のルールがあるので、このルール(制限)を逸脱してしまっているモバイルバッテリーであれば機内の持ち込みも認められません。
仮にそうなってしまえば、荷物としても預けられず機内にも持込みが出来ないので、残念ながら飛行機に乗る前に何らかの方法で処分する他なくなってしまいます。
そんなことになってしまったら悲しいですね。そうならない為にも、事前にしっかり条件を確かめておきましょう。
基準となるのは、モバイルバッテリーの「容量」と「個数」です。

機内持込みの基本的なルール

航空会社や国内線、国際線によって細部で異なるものの、概ね次のルールが基本となります。

■モバイルバッテリーの機内持ち込み基準

100Wh(ワット時定格量)以下:
基本的に機内持ち込み可能です。

101Wh以上160Wh以下:
航空会社によって個数制限(通常は2個まで)が別に設けられている場合がありますが、機内持ち込み可能です。

160Whを超える:
機内持ち込みも預け入れも不可となります。

モバイルバッテリーは原則として預けることが出来ない荷物なので、機内持ち込みをする必要がありますが、容量が「160Wh」を超えてしまうと、機内持ち込みも出来なくなってしまいますので注意しましょう。

機内持ち込みにもルールが定められている

モバイルバッテリーの容量(Wh:ワットアワー)の仕組みと確認方法

ほとんどの場合、パッケージに「10000mAh」とか「20Wh」といった数字が書かれていると思いますが、この数値がそのモバイルバッテリーの容量です。
正確には「ワット時定格量」と呼ばれる数値で、そのモバイルバッテリーがどれくらいの電気を蓄えていてどれくらい使えるかを表すものです。
上述の通り、飛行機に乗る際の容量基準は「Wh(ワットアワー)」で定められているので、この数値を把握することが大切となってきます。

容量はどこを見ればわかる?

モバイルバッテリー本体やパッケージ、製品説明書などに「●●Wh」として記載されているのが普通ですが、製品によって、本体には「●●Wh」表示がされていない場合もあります。
その場合、「Wh」の表記がなくとも、「●●mAh」や「●●V」のように異なる単位表記での数値が記載されていれば、「Wh」の数値は簡単に計算で求めることが出来ます。
数値の記載自体が見当たらない(分からない)場合は、そのモバイルバッテリーメーカーの公式HPなどで確認すれば大抵の場合は見つけることが出来ると思いますが、それでもどうしても分からない場合は、メーカーに直接問い合わせてみるのが良いでしょう。

※引用元:ソフトバンク公式HP
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モバイルバッテリーの容量はmAh(ミリアンペアアワー)で表示されていることが多い?

モバイルバッテリーによっては、「Wh(ワットアワー)」ではなく「mAh(ミリアンペアアワー)」という単位で容量を表示していることも多くあります。
詳細は割愛しますが、簡単にいえば「Wh」が電気の貯蔵量を示すのに対し、「mAh」はどれくらいの電流をどれくらいの時間流すことが出来るかを表す単位で、少し異なる角度から電気量を表す指標です。

「Wh」への計算方法

「mAh」から「Wh」への計算方法は次の通りです。

Wh = (mAh × バッテリーの電圧) ÷ 1000

「バッテリーの電圧」は、「●●V」として表記されていますのでモバイルバッテリーの本体や製品ページ等を確認してみてください。
ちなみに、大抵の場合は3.7Vが基本的な数値です。

例:10000mAhのモバイルバッテリーの場合
Wh = (10000mAh × 3.7V) ÷ 1000 = 37Wh

■リチウムイオン電池を内蔵している製品

リチウムイオン電池を搭載しているのはなにもモバイルバッテリーに限らず、昨今はスマートフォンやタブレット、ノートPCやカメラなどにも搭載されています。
ところが、飛行機に乗る際は、モバイルバッテリーと異なり、スマホやタブレットは機内持ち込みも預け入れのどちらも可能となっています。
一体なぜでしょうか?
これは、モバイルバッテリーが「予備電池」として扱われるのに対し、スマホやタブレット、ノートPCが「携帯型電子機器」と別に扱われる為です。
このような分類とされている理由は恐らく専門的な見地によるものと思われますので割愛しますが、モバイルバッテリーなどの充電を主目的とした機器か、それとも、バッテリー自体を内蔵した電子機器なのかで扱いが異なる、ということを理解するだけでもなんとなく全体を掴みやすくなるように思います。

尚、ノートPCやタブレットなどの「携帯型電子機器」も、内臓されているリチウムイオン電池の容量(Wh)が160Whを超える場合はモバイルバッテリーと同様で預け入れも持込みも不可となるといった制限が発生するので注意してください。

容量が分からない場合の注意点

最後に注意点を一つだけ。
モバイルバッテリーの容量(ワット時定格量)の記載がない為に正確な容量(数値)が分からないといった場合についてです。
この場合、航空会社によっては航空機への預け入れも機内持ち込みも認めてくれない可能性があります。
それでも、国内の航空会社などであればモバイルバッテリーの商品名や型番などから容量を調べてくれるといった対応をしてくれることもあるようですが(※確実にそういった対応をしてくれるわけではありません)、それはかなり特別な対応であると捉えた方がよいですね。
基本的には、モバイルバッテリーの容量が判別できないのであれば、航空機の機内持ち込みも預け入れもNGとなってしまう可能性が高いと考えておくべきでしょう。

まとめ

旅において必需品ともいえるスマホやタブレットといった電子機器たち。
これら電子機器を安定して活用するうえで切っても切れない存在なのがモバイルバッテリーです。
モバイルバッテリーを旅先でも最大限活用する為に、飛行機に搭乗する場合の一定の制限をしっかり理解しておくようにしましょう。

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