空港や高速道路のPASA、鉄道の駅などは、ただその場でそこの空気を感じるだけでも、そこから繋がるまだ見ぬ壮大な旅の片鱗を感じられる素敵な場所です。
これらの場所は、自分自身が旅に出る時に利用するのは勿論ですが、それ以外にも友人や親族が旅立つところを見送る為に立ち寄ることも多くあるのではないでしょうか。
これが駅であれば、電車や鉄道は日常的であったり近郊への移動であったりで使用する機会はそれなりに多いと思うので、見送り出来るのが改札までというのは分かりやすいと思います。
ところがこれが空港となると、普段あまり利用しない人にとっては、見送りの人が一体どこまで一緒にいられるのか？いまいち分かりづらいですよね。
そこでこの記事では、空港における「お見送り」についてまとめていきます。
国内線・国際線ともに、「保安検査場入口」の手前まで
搭乗しない人が空港内で見送りが出来るのは、ずばり「保安検査場の入口」までです。
これは日本全国どの空港でも同様で、国内線・国際線の別はありません。
これがなぜかというと、空港という施設の中は国際条約と国内における法律によって厳密にエリアが区別されているからです。
この「区別されているエリア」について、この記事では細かい説明は行いませんが、ものすごく単純にまとめるならば、立ち入りが制限されていないエリア（パブリックスペース）と、許可された人以外の立ち入りが禁止されているエリア（制限区域）の２つに分かれています。
保安検査場の入口から先のエリアは航空機搭乗口に直接繋がっている為、その全域を制限区域（もっと厳密には「危険物等所持制限区域」といいます）という名称のエリアとして設定しているんです。
この制限区域とはその名称の通り、区域内に立ち入りが出来るのを航空機の搭乗券を所持している旅客と、航空機の乗員の他、空港が特別に許可を出している人のみとし、それ以外の一般の方の立ち入りを禁止しています。
そして更に、この制限区域（保安区域）へ入る条件として必ず保安検査を受けることが航空法で定められています。
その為、空港は必ずこれら制限区域（保安区域）の入口に保安検査場を設置しています。
航空機に搭乗しないお見送りの人はこの制限区域（保安区域）に入ることが出来ないので、その入口である「保安検査場」までがお見送り出来る場所ということになります。
航空機の搭乗口まで一緒に見送りにいける制度が検討されている（いた？）
実は以前、国交省がこの制限区域（保安区域）への立ち入り規制の緩和を検討しているという報道がありました。
どういうことかというと、航空券を所持していない人でも制限区域（保安区域）へ入れるようにする制度（の見直し）です。
この制度緩和が実現していれば、一緒に空港に来た人も、見送りの人が航空機に搭乗する搭乗口の手前まで一緒に行くことが出来るようになります。
上述したように通常は航空券を持っている搭乗客しか保安検査場から先の制限区域（保安区域）には入れないのですが、これを見直し、搭乗客以外の一般の方（お見送りの人など）も一緒に制限区域（保安区域）へ入ることが出来るようにするという内容です。
ところが、その後この制度緩和が実現したという情報を見つけることは出来ませんでした。
完全に立ち消えたのかどうかは分かりませんが、もしかしたら現在も引き続き検討中というところかもしれません。
今後もしもこれが実現すればお見送りに来る人にとっては嬉しい話ですね。
（実現にはクリアすべき課題がかなり多くあるように個人的には感じていますが・・）
お見送りを目的として航空機搭乗口手前まで行く方法はあるか？
さてそれでは、航空機に搭乗しない人がお見送りする人と一緒に保安区域内まで行く方法はあるでしょうか。
これは残念ながら「方法はない」というのが結論です。
保安区域の中は航空機に搭乗する人が集まる場所なので、そのセキュリティレベルは空港内では一番高い状態を維持しなくてはなりません。
航空機に搭乗しない一般の方の立ち入りを認めるというのは、その入口の保安検査場の混雑に繋がるほか、持込が禁止されているものを保安区域内に持ち込まれてしまうリスクも単純に上がってしまう可能性もあります。
寂しい気持ちはありますが、旅立つ人達が安心安全な旅を過ごせることに繋がると考えて、見送る側人達もしっかりルールに従って対応していきたいところですね。
時間に余裕がある限り、保安区域には入らずに空港内で一緒に楽しむというのもおすすめです。
空港の中には色々なお店や設備が揃っていて、見送りの時間を楽しめる施設も必ずありますので。
旅に出てしまうのもあり
どうせなら、見送りではなく一緒に目的地まで行く（旅をする）というのも楽しいですよね。
空港は観光地として立ち寄るのも充分楽しめますが、目の前で旅立つ人達を見たり、滑走路から飛び立っていく飛行機を見ていると、飛行機乗りたい・・旅に出たい・・という気持ちが盛り上がっていくに違いありません。
空港まで行くなら、せっかくだから思い切って一緒に飛行機に乗って、まだ見ぬ美しい景色を探しに行ってみてはいかがでしょうか。
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