日本国内の空港の大きさを比較してみた

空港

日本国内には沢山の空港が存在しています。
そんな空港ですが、近年は航空機を利用する目的の旅客に限らず、観光地の一つとして空港を訪れてくれるような人をもっと増やしていこうとする動きが全国で加速しています。
次々と新しい施策を行うことで、空港という場所それ自体の魅力を増し続けているんですね。
空港とは、誤解を恐れずに言えば、その土地の様々な特色や魅力をぎゅっと圧縮した一種のミュージアムのようなところであると私は感じています。

ここでは、そんな魅力たっぷりの国内の空港の大きさを比較してみました。
この中で興味を持った空港が見つかりましたら、是非新しい旅の目的地として設定してみてください。

日本国内の空港について

日本国内の空港の数

最初に、日本国内にはどれくらいの数の空港が存在しているかご存じでしょうか。
よく知らないけど、なんとなく全都道府県に最低1つは必ず空港がある、と考えている人もいらっしゃることと思います。(私はそう考えていました。)

国土交通省のHPによれば、日本全国の空港は全部で97つ存在しています。
日本の都道府県が全部で47つと考えると、これって結構多い気がしますよね。

ちなみにこの数字は、「ヘリポート」や「非公共用飛行場」は除外されています。
ヘリポートとは、その名の通りヘリコプターの発着を目的として設置されている離発着場です。
非公共用飛行場とは、例えば企業の専用飛行場であったり、警察などの行政機関専用の飛行場のことなどを指します。一般的には開放されていない飛行場です。

ヘリポートも日本全国にあるが、今回は除外


これほどの数の空港があるのにも関わらず、日本の47都道府県全てに必ず1つ以上の空港が存在しているかといえば実はそうではありません。
空港が1つもない地域がある一方で、2つ以上の空港を設置する地域も存在しています。
空港の所在についてはこちらの記事でも紹介していますので、是非ご覧ください。

注意※この記事での「空港」は、「ヘリポート」と「非公共用飛行場」を除きます。

空港の大きさランキング

敷地面積の大きい空港

早速はじめていきましょう。
まずは敷地面積の大きい空港
滑走路、誘導路、旅客ターミナルビルや関連施設等、空港関連施設を全て含めたいわば空港全体の広さです。


■敷地面積の大きい空港ランキング

順位名称敷地面積
1東京国際空港(羽田空港)1,516ha
2成田国際空港1,172ha
3関西国際空港1,068ha
4新千歳空港726ha
※「東京航空局、大阪航空局」各HPから
1位:東京国際空港(羽田空港) 1,516ha

1位は東京国際空港(羽田空港)です。
東京23区の渋谷区とほぼ同じ大きさであるといえば、その大きさをより感じやすくなるのではないでしょうか。
3,000m級の滑走路を2本、2,500mの滑走路を2本のなんと計4本もの滑走路を備え、3つの旅客ターミナルビルに、貨物ターミナルビルなど複数の関連設備を併せ持つ国内最大の空港です。
滑走路が4本ある空港は国内では唯一、羽田空港のみです。
なにもかもが巨大な羽田空港には、航空機の駐機スポット(飛行機を駐機させておけるスペース)が全部で241機分もあります。(大型機:180 中型機:35 小型機:26)
これ、自動車ではなくて飛行機の話ですよ。

2位:成田国際空港 1,172ha

2位は成田国際空港。
東京といわず、日本における国際的な玄関として今でも不動の位置にある空港です。
面積については1位の羽田空港とそこまでの大差はなく、僅差で2位となりました。
羽田と同じく3つの旅客ターミナルビルを持ち、貨物ターミナルビルやその他関連設備を備えた巨大な空港です。
滑走路は4,000mが1つと2,500mが1つの計2本を備えます。
数こそ羽田空港の半分ですが、特筆すべきはその長さ。4,000mの滑走路を持つ空港は国内では成田空港と関西国際空港のみです。
成田空港の大きさをイメージしやすくするために、おなじみの東京ドームを置いてみましょう。
東京ドームで換算すると、およそ東京ドーム240個分です。
これは東京23区の千代田区とほぼ同じ大きさでもあります。

3位:関西国際空港 1,068ha

3位は関西国際空港。
関空(かんくう)などと略されることが多い、関西を代表する国際空港です。
2つの旅客ターミナルビルと貨物ターミナルビル、関連施設を備える空港です。
滑走路は4,000mが1つ、3,500mが1つの計2本。
成田空港と同じく本数は2本ですが、長さ4,000mは前述の通り国内では関西空港と成田空港のみです。
関西は大阪ということで、ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)の敷地面積で換算してみましょう。
USJのパーク面積は約40haですので、単純計算でUSJがおおよそ26個入ってしまう大きさです。
26個!!
USJに遊びに行ったことがある人は、あの広さを思い出していただき、それを単純に26個並べてみるイメージをしてもらえれば、その広さを感じやすいのではないでしょうか。

4位:新千歳空港 726ha

4位は新千歳空港です。
北海道の玄関となる道内最大の空港で、羽田や中部国際空港などと並び全国における主要空港の一つです。
旅客ターミナルビルは国内線と国際線の2つのみですが、ビルにはホテルや映画館といった滞在型施設も多数併設されており、その規模は大きいです。
滑走路は3,000mを2本設置しています。
実は隣に航空自衛隊の千歳基地があり、そちらにも滑走路が設置されていますが、こちらの施設は一般供用されていない施設の為、除外します。
広大な大地の北海道なだけあって、その玄関口となる新千歳空港も流石の大きさです。
今回は、ディズニーリゾートで換算していきましょう。
ディズニーリゾートの両パーク(ランドとシー)合計面積は約100ヘクタールなので、ディズニーリゾートがおおよそ7つ入ってしまうほどの広さです。
ディズニーリゾートに遊びに行ったことがある人はその大きさを想像してみてください。

利用旅客数の多い空港

次は、その空港を利用する旅客数の比較です。
2021年(令和3年)の国内線と国際線の旅客を合計した数値で比較します。
(出典:国土交通省「空港管理状況」
空港の敷地面積と同じく、その空港の規模感を知ることが出来る数値です。

■利用旅客数の多い空港ランキング

順位名称旅客数
1東京国際空港(羽田空港)26,557,863
2福岡空港8,475,937
3新千歳空港8,233,438
4那覇空港7,415,492
※国土交通省「空港管理状況」から
1位:東京国際空港(羽田空港) 26,557,863人

1位は東京国際空港(羽田)です。
上位4空港の中でも抜きん出た数値となっています。
ちなみに、東京国際空港(羽田)は圧倒的に国内線旅客が多いです。
内訳をみてみると、国内線旅客の数が25,835,444人に対し、国際線旅客は722,419人でした。
約97%が国内線旅客ということです。
国際線旅客数だけで比較すると、東京国際空港は全国の空港で2位です。

航空サービス調査企業スカイトラックス(SKYTRAX)社が毎年実施している「ワールドエアポートアワード」という賞があります。
これは世界約300社以上の航空会社の空港サービスの品質の良さに対して授与されるもので、2022年のランキングの2位に東京国際空港がランクインしています。
ここから分かるサービスの良さだけでなく、江戸の街並みを再現した「江戸小路」などユニークな商業施設も多数揃っており、今の東京国際空港は航空機を利用するか否かに関わらず、訪れる人全てが満足出来る「観光地」となっています。

羽田空港「江戸小路」
2位:福岡空港 8,475,937人

2位は福岡空港です。
敷地面積の大きさランキングに名前が入っていない空港がランクインです。
内訳は国内線旅客が8,454,030人で全体の99%を占めています。
国際線旅客は21,907人で、国際線旅客数だけで比較すると全国の空港で5位です。

ランキング上位の要因としては、福岡の観光地としての人気の高さに加え、三大都市圏といわれる「東京・大阪・名古屋」からのビジネス需要が旺盛であるということもあると思われます。
福岡空港は2020年に旅客ターミナルビルを改修しています。
福岡の名店に限らず全国各地の様々な美味しいラーメン店が集まる「ラーメン滑走路」や、福岡を堪能出来るグルメを提供するフードコート「THE FOOD TIMES」など、空港を楽しんでもらう為の様々な施設が揃っています。
今後も2025年までかけて段階的に、国際線旅客ターミナルビル内や駐車場の拡張など、空港全体の更なる拡張工事を実施しています。
ますます魅力的となる福岡空港からは目が離せません。

3位:新千歳空港 8,233,438人

3位は新千歳空港。
2位の福岡空港とは僅差です。
内訳は国内線旅客数が8,233,413人で、福岡空港と同じく99%が国内線旅客です。
国際線旅客数の比較では国内第8位です。

北海道の玄関口として有名な新千歳空港。
航空機で北海道へ旅行する多くの人が1度は訪れると思いますが、新千歳空港はさながらアミューズメント施設ともいえるくらいに様々なものが揃っています。
新千歳空港の歴史を知ることが出来る「エアポートヒストリーミュージアム」、パイロットの制服着用や操縦シミュレーター体験などが出来る「大空ミュージアム」、仮眠から宿泊までOKな「新千歳空港温泉」、3つのシアターを備える映画館「新千歳空港シアター」、北海道内の様々な名店が並ぶ「北海道ラーメン道場」など、他にも紹介しきれないくらいに沢山の施設が揃っています。
ゆっくり歩いてまわるだけでも楽しめる空港となっているので、北海道旅行の際は是非、通過点としてではなく一つの観光地として中を探検してみてください。

新千歳空港内の様子
4位:那覇空港 7,415,492人

4位は那覇空港。
内訳は、国内線旅客数が7,412,065人とやはり全体の99%です。
国際線旅客数だけで比較すると、国内第6位でした。

言わずと知れた沖縄観光の玄関口である那覇空港。
北の新千歳空港と同じく、日本を代表する主要空港の一つです。
その館内は随所で沖縄らしさを感じられるオブジェクトが並ぶ空港となっており、沖縄の空気を感じつつ土地の様々な名産品を購入することが出来ます。
また、沖縄の魅力として外すことの出来ない沖縄グルメを堪能出来るレストランも揃っており、まさに沖縄を凝縮した空間となっています。

那覇空港

まとめ

この記事では国内の空港の大きさをイメージしやすくなるように、「敷地面積の大きさ」と「利用旅客数」の比較をしてみました。
旅の中ではどうしても「通過点」となることが多い空港ですが、実は空港の多くがその土地の魅力をぎゅっと集めた観光情報発信基地として運営されています。
旅の計画を立てる際は、「通過点」ではなく「観光地」としての空港をほんの少しだけでも知っていただければ、旅の楽しさが何倍にもなると思います。
是非、旅の行き先の空港にも焦点をあててみてください!

上空から見る新千歳空港

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