レンタカーとカーシェアの違い

カーシェアリング

わくわくする旅の計画。さて、目的地は決まったとして、そこまでの移動手段はどうしよう・・?

こういう悩みも含めて旅の醍醐味ともいえるものの、旅における移動手段は重要なテーマの一つですよね。
東京などの都心ならともかく、山奥の観光地などでは、最寄り駅から目的地まで公共交通機関がないという場合も多くあります。
バスも電車もない!
車も持っていない!

と、そんな時に力強い味方となってくれるのが、レンタカーやカーシェアといったサービス。
一見すると、レンタカーもカーシェアサービスも期限を決めて車を一時的に借りるという意味で両者に変わりはないように思えます。
この2つは何が違うのかな?
そして、2つを比べたら一体どっちがお得なのかな?

ということで今回はこの2つのサービスの違いについて、独断と偏見と主観を織り込ませながら紹介していきたいと思います。

レンタカーとカーシェアの違い

お得なのはどちらか?

どちらも車を借りるという意味ではサービスに大きな違いがあるように見えないレンタカーとカーシェアの両サービス。
果たしてどちらの方がお得なのか?

結論から言うと、どちらか一方のサービスの方が「絶対にお得!!」と一概に言うことは出来ません。

もし仮に一方だけが間違いなくお得(料金やサービスなど総合的な面で)なのであれば、この2つのサービスのどちらもが同時に存在しているはずがありません。

ということは、それぞれのサービスの特徴をしっかり押さえたうえで、自分の使い方(借り方)に適した方を選ぶことが出来れば、それは結果としてお得な方を選べたことと同義です
と、これは当たり前の話ですが。。
その為にも両方のサービスの特徴やメリットデメリットをしっかり理解することで、自分自身にとって一番お得となる利用方法を選ぶための礎としてください。
早速見ていきましょう。

レンタカーとカーシェアの違い

最初にも書いた通り、一見すると両者に大きな違いはありません。
ところが、実はこの2つは厳密には概念が全く異なります。
それぞれの単語をよーく見てみると分かると思いますが、端的にまとめるならば次の通りです。

レンタカー:レンタカー会社所有の車両を有料で借りる。

カーシェア:複数人で車両を共同所有し、所有者が交互に必要な時にその車両を時間指定で利用する。

レンタカーはその名の通り、レンタカー会社が所有する車両を、時間を指定して料金を支払って借りるサービス。
対してカーシェアとは、複数の人が共同で車両を所有し、それぞれが必要な時にその都度車両を利用するというもの。
ただ、これを個人レベルで実施するには契約やら何やら手間暇がかかってしまう為、これらの煩雑な手続きをカーシェア会社が一括して行い、利用希望者を「会員」として登録してもらうことで、同様の環境を構築しサービスとして提供しているのがいわゆる「カーシェア」です。

次からはより具体的に、両者のサービスにおけるメリットとデメリットがどのようになっているか説明していきます。
これを知ることで、どちらのサービスを選ぶべきかが判断がしやすくなりますよ。

レンタカーのメリットとデメリット

まず最初にレンタカーのメリットとデメリットをまとめます。

レンタカーのメリット

①会員登録不要で車両を借りることが出来る
②沢山の車種から好きな車を選べる
③整備点検や洗車が徹底されている
④ガソリン満タンでスタートできる
⑤乗り捨て利用が出来る

①会員登録不要で車両を借りることが出来る
レンタカー会社に事前に会員登録を行わなくとも、非会員のままでも車を借りることが出来ます
急に車が必要になった時などにも、そのレンタカー会社に車の空きがあれば、そのまま借りることが出来ます。
ただし、ほとんどのレンタカー会社は「一般(非会員)料金」と「会員料金」を分けており、当然、会員料金の方がお安いです。
会員登録も維持費も無料なところが大半なので、よほど特殊な事情がない限り、会員登録をすることをお勧めします。

②沢山の車種から好きな車を選べる
レンタカー会社によってメーカーや種類に違いがあるものの、市販されている車両のほとんど全てから乗りたい車種を選ぶことが出来ます
一度は乗ってみたい憧れの車や、購入を検討している車の試乗代わりなど、旅以外の目的で借りるのもおススメです。
注意点としては、車種は選べてもグレードまでは選べないことが多いということ。
一部の特殊な車や会社を除いて、大抵の場合は車のグレードまで選択することは出来ません。
勿論、グレードが違うというだけで、その車自体の性能が変わるわけではありませんが、購入前の試乗目的などで借りる場合は特に注意が必要でしょう。
グレードの違いで外観や内装がかなり変わる車も多いので。

③整備点検や洗車が徹底されている
レンタカーで使用する車はお客さんに貸し出した都度、基本的な清掃が行われますし、走行距離などに応じた定期的な点検も万全に実施されています。
個人的な感覚ですが、今まで汚れたレンタカーを見たことがないです。
借りる時はいつだって、まるで新車と見間違うかというくらいにぴかぴかな状態の車が用意されていました。
車内の清掃もいうまでもなく綺麗。レンタカーという色々な人が使うものであることを考えると、車内を丁寧に清掃してくれているというのはそれだけで大きな安心感があります。

④ガソリン満タンでスタートできる
レンタカーは必ずガソリン満タンで借りることが出来ます
ほんのちょっとしたことですが、気分良くドライブをスタート出来ますよね。
これはメリットであると同時に、返却時においてはちょっとしたデメリットになる面もあるのですが、それはまた後ほど。。

⑤乗り捨て利用が出来る
レンタカーは、全国の営業所(拠点)で借りるのですが、借りる場所と返す場所が必ずしも同じである必要はありません
これを「ワンウエイレンタル」や「乗り捨て」などと呼びます。
例えば、飛行機に乗る為に空港まで行きたい時、荷物が多いので電車ではなく車で自宅の近くから空港まで行きたい場合など、自宅近くで車を借りて、そのまま空港で返却ということが出来るというわけです。
これ、実際かなり便利です。
ただしこれにも注意点があります。
このサービスを利用しようとすると、それなりの料金は発生します。
とはいえ、レンタカー会社からすれば、乗り捨てられた車をまた戻すという作業が追加で生じるわけですから、こればかりは仕方ないです。
利用する場合はしっかり料金を確認しておくことが重要です。しっかり調べずに乗り捨てすると、距離や条件次第では、車のレンタル料金並みの費用がかかる、、なんてこともあるかもしれませんから。

レンタカーのデメリット

①貸出・返却の時間が限定される
②ガソリン満タン返却が必須
③出発時と返却時にちょっとだけ手続きの時間がかかる

①貸出・返却の時間が限定される
レンタカーの貸し出しと返却を行える営業所(拠点)には営業時間が定められています。
朝8時から夜8時までの営業という営業所が多いです。
この営業所が営業している時間帯でしか、車両の貸出返却は出来ません

数年前まではニッポンレンタカーが多くの営業所で24時間営業をしていたのですが、今は終了しているようです。
今も一部の営業所などで24時間営業しているところがあるかもしれませんが、極めて特殊な例だと考えてよいでしょう。
早朝早い時間帯に出発したい時や深夜に目的地から戻る予定の時などに、営業時間の制約は結構頭を悩ませます。
ただ、早朝早い時間帯での出発に限っては、レンタカー会社が期間限定で、「追加料金なしで前日夜からのレンタルOKなキャンペーン」などを展開している場合もあるので確認してみるのもいいと思います。

②ガソリン満タン返却が必須
レンタカーは返却時には必ずガソリンを満タンにした状態での返却が求められます
借りる時にガソリン満タンなので、当たり前といえば当たり前なのですが。。
よほどガソリンを給油する行為自体に楽しみを感じられるといった人でない限り、これはちょっとしたデメリットと思います。
実はガソリンを満タンにせずにそのまま返却することも可能ですが、その場合はレンタカー会社が定める規定料金に従って追加料金を支払う必要があります。
ガソリン価格は地域や時期によって常に変動する為、厳密な比較は難しいものの、レンタカー屋の社員さんに聞くと、「ガソリンスタンドで入れていただく方がお安いです」と皆さん同じように仰るので、多分そういうことなのだと思います。

③出発時と返却時にちょっとだけ手続きの時間がかかる
車を借りる時も返却する時も基本的に有人の手続きが生じる為、出発や返却に少し時間がかかります
とはいえ、時間がかかるといっても5分前後で、ほとんど気にならないレベルではあります。
返却手続きについては、延長などがなければ燃料残量と外観・内装チェックや忘れ物チェックくらいで終わるので、事務手続きの時間はほとんどあってないようなものです。
車を借りるという行為自体に慣れていない人にとっては、逆に、借りる前に担当者の方に直接色々と説明してもらえたり質問が出来るという意味で安心出来るともいえます。

ここ最近の流れとして、貸出時の事務手続きを可能な限り短くする(省略する)サービスも増えつつあるようです。

カーシェアのメリットとデメリット

では次に、カーシェアのメリットとデメリットについて。

カーシェアのメリット

①出発時の手続きがほぼない為、簡単かつすぐに出発出来る
②利用開始・返却の時間が限定されない(24時間365日いつでもOK)
③短時間の利用が可能、利用予約も直前まで受付
④ガソリン給油はしなくてもよい

①出発時の手続きがほぼない為、簡単かつすぐに出発出来る
車を予約しさえすれば、当日車に乗って走り出すまでとにかく楽で早いです。
カーシェア運営会社によって異なるものの、例えばタイムズカーシェアであれば、予約した後は当日車のある場所まで自分で行き、会員証を車の後方に設置されているICリーダーにかざすだけで手続完了。
そのまま車に乗って走り出せるので、対面で行う手続きなど一切ありません。

これは、カーシェアという制度を考えてみれば理解出来ます。
レンタカーと異なり、カーシェアは基本的に非会員による使用が出来ません。
それは、カーシェアとは会員同士がお金を供出することで車両の使用権を会員全員で少しずつ共有する仕組みだからです。
まさにこの概念が肝なわけです。
「車を全員で共有する。」ということは、言ってみれば「(車の一部を)自分が所有する」とも言えますから、レンタカー会社の車を借りるのではなく、自分の車を自分で使う、というイメージに近いわけです。
自分の車なのであれば、車を使いたいなと思った時にパッと手軽に乗れるべきですよね。
それが自分で車を所有する、ということだと思います。

利用開始・返却の時間が限定されない(24時間365日いつでもOK)
カーシェアの車は、利用も返却も24時間365日いつでも可能です。
(※車両の定期メンテナンス時期などを除く)
終電のなくなったくらいの深夜に車を利用することも出来ますし、まだ朝日が昇っていないくらいの早朝に返却することも出来ます。
①のメリットにカーシェアの基本的な概念を少し書きましたが、ここでもこの「シェアリング」という考え方が基本となっています。
連名で共同所有するという考え方に基づけば、24時間いつでも使える(予約が空いていれば)というのは外せません。

ちなみに私も結構な頻度で利用させてもらっています。
昨今はカーシェア専用の車両も順次増えてきている印象なので、余程「この車でないと絶対嫌だ!」ということでもない限り、どんな時間帯でも大抵は数台の車に空きがあって、すぐ利用出来る印象です。

③短時間の利用が可能、利用予約も直前まで受付
カーシェア運営会社にもよりますが、例えばタイムズカーシェアであれば最短15分から車を利用出来ます
15分だけの利用が出来るので、ちょっと近所のコンビニまで行ってきたいという時にも気兼ねなく利用出来て便利です。
しかも、利用したい時間の3分前まで予約を受け付けているというのだから驚きです。
更にいうと、予約変更やキャンセルに至っては車の利用開始時刻(予約時刻)の1分前まで可能です。
勿論、他の大手カーシェア運営会社も多少前後はあるものの、レンタカーよりは遥かに短時間での利用がしやすい制度になっています。

④ガソリン給油はしなくてもよい
カーシェアサービスではガソリンの給油は不要です。
「不要です」というと少し違うかもしれません。「給油はしなくてもOK」というのがより正確でしょうか。
レンタカーと異なり、返却時のガソリン満タン返しは不要です。
カーシェアが短時間利用を主眼においた制度であることを考えれば納得ですね。

ちなみに、タイムズカーシェアを例に挙げますと、車に専用の給油用カードが備え付けられています。
それを使って給油をするのは勿論OKです。
そのカードで給油が出来るので、自分のポケットマネーを出す必要はありませんし、同じやり方(カード)で洗車も可能だったりします。
そうやって自分が利用している時間帯に給油や洗車をすると、利用料金が後で少し割引されるなどちょっとした特典もついています。

カーシェアのデメリット

①会員登録が必須で月額基本料金が生じる
②利用の都度、車両の整備や清掃が行われるわけではない
③乗り捨て利用が出来ない
④車種の選択肢が少なく、年式が古い車両の場合もある

①会員登録が必須で月額基本料金が生じる
カーシェアのサービスを利用するには必ず事前に会員登録が必要です。
レンタカーと異なり、非会員では車を利用することは出来ません。
メリットで書いた通り、会員同士で共有するという「シェアリング」の概念を考えればやむを得ない点であるといえると思います。
会員になると月額基本料が発生するのも見逃せない点です。
ただし、大手のカーシェア運営会社では月額料金についてお得な制度があります。
代表的なところでいえば、「月額基本料を車両の利用料金に充てられる。」というものがあります。
これはつまり、当月に車を利用すればその車の利用料金分が月額基本料から差し引かれるということです。
他にも、そもそも月額基本料が無料のプランをたてている会社もあります。

②利用の都度、車両の整備や清掃が行われるわけではない
利用する車両は、必ずしも利用前に清掃と整備をされているわけではありません
カーシェア運営会社の清掃や整備のタイミングがたまたま利用する時間帯の前に入っていたということはあるかもしれませんが、基本的には車両を利用する人達が自身で行う必要があります。
とはいえ、法令で定められるタイミングでの正規の整備や清掃はもちろん実施されていますし、カーシェア運営会社の社員が定期的に巡回して車両の清掃や点検を実施してくれてはいます。
あとは、車両を利用する前の点検は利用する(運転する)私たちが行うべき義務ということですね。
車内の清掃については、さすがに利用する都度掃除機をかける必要はないでしょうが、全員で利用するということを考えて清潔に利用するのがマナーです。

ちなみに、私自身今までかなりの頻度で利用させてもらっていますが、気になるほど車内が汚れていたという経験はありません。

③乗り捨て利用が出来ない
利用開始する拠点と返却する拠点を異なる場所に設定することは原則として出来ません
A地点から利用してB地点で返却するという、いわゆる「乗り捨て」制度のことです。
これはカーシェアでは出来ません。
原則と書いたのは、一部の拠点では乗り捨てが利用可能な場合もある為です。
レンタカーと比べればかなり限定されますが、自分自身が利用を予定している拠点や目的地が乗り捨て可能となっている可能性もありますので、利用する前に一度調べてみるのもいいと思います。

④車種の選択肢が少なく、年式が古い車両の場合もある
利用出来る車両の選択肢がレンタカーと比較すると少ないです。
とはいえ、軽自動車から普通車コンパクト、ミニバンまでほとんどの人の需要に応えられるだけの種類はあります。
レンタカーと比較すれば数や種類は少ないというだけの話で、普通に利用する分には全く支障ないといえるくらいです。

それと、車両によっては少々年式が古い車両がある場合も稀にあります。
レンタカーの場合は基本的にはその車種の最新世代がラインアップされています(レンタカー会社によって異なる)ので、その車種の試乗を兼ねて利用してみたいという人の場合はレンタカーを利用する方がいいかもしれません。

まとめ

レンタカーとカーシェアの使い分け

レンタカーとカーシェアのどちらを利用するのがお得なのか?
レンタカー会社もカーシェア会社もいくつも存在していて料金体系もそれぞれ異なる為、一概に比較するのは困難ですが、強引にまとめるのであればこのような使い分けがおススメといえるでしょう。

レンタカーの方がおススメ


長期間(〇日単位)での利用を予定している(利用が多い)。

その車種の試乗など、その車を運転すること自体が目的の時もある。

レンタカーやカーシェアという制度の利用が初めてで何かと不安が残る。

カーシェアの方がおススメ


短い時間(数十分~数時間単位)での利用を予定している。

乗車前の基本的なチェック(整備点検等)は自分で出来る。

とにかく突発的に車を使う必要に迫られることが多い。

料金の比較は今後の記事で・・

料金については、何時間以上利用する場合はレンタカーの方がお得?ということを別記事でまとめようと思っています。
ただ、繰り返しますが、上述の通り運営会社や車種によっても全く異なりますし、ガソリン代(レンタカー)や距離料金(カーシェア)もある為、いよいよ単純な比較は難しいと考えています。
と、それを大前提としたうえで、これは私の単純な感覚でしかありませんし明確な根拠があるわけではありませんが、カーシェアで6時間を超過して利用を考えている場合は私はレンタカーとも料金比較をしています
これは厳密な計算による根拠も何もない完全に私個人のやり方、というだけの内容です。

旅を便利で快適に

最後になりました。
レンタカーとカーシェアというサービスの比較でした。
ひと昔まえはカーシェアというサービスはありませんでした。
ところが昨今は、いわゆる「サブスクリプション」という考え方が車に限らずあらゆる業界で主流となりつつあるという印象があります。
カーシェアはサブスクリプションとは異なりますが、従来は「購入して使う」のが当たり前であった概念が変わりつつあるという意味では同じともいえるのではないでしょうか。
便利でお得なサービスだからこそこれだけ世の中に受け入れられてきたということを考えれば、これらをしっかり理解して使いこなすことで、今まで以上にお得で快適な旅をすることも出来るといえます。
新しいサービスや便利な仕組みを積極的に活用していきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました